Lubuntu

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Lubuntu 12.04 の新機能

Lubuntu の今回のリリースには次のものが含まれます:

  • 新しいソフトウェアセンター。軽量になるよう最適化され、お使いのシステムでのアプリケーションのインストールや削除が簡単にできます。

Lubuntu アプリケーション

  • LXDE、 軽量なデスクトップ環境で、Pcmanfm や LXAppearance などのアプリケーションを含みます。

  • Openbox、 高速で拡張性の高い、LXDE のデフォルトのウィンドウマネージャーです。

  • Chromium、 Google のブラウザー Chrome のオープンソースバージョンです。
  • 詳細については、 アプリケーションの全リスト を参照してください。

共通インフラストラクチャ

  • Ubuntu 11.10までの「管理者」ユーザーは、「admin」Unixグループに所属することでsudo権限を付与されていました。12.04では、「管理者」ユーザーは「sudo」グループによって権限を付与します。これは、Ubuntuをアップストリームの実装やDebianに合わせたものです。互換性を維持するため、12.04では「admin」グループに所属していればsudoによる管理者特権アクセスが可能なままです。
  • ハイバネート(suspend to disk)は、デフォルトでは無効になっています。これは、安定性の問題が見つかったことと、非常に遅いこと、そして二種類のサスペンドモードによって混乱が引き起こされるためです。812394 も参照してください。ハイバネートを有効にしたい場合、この手順を用いてください。

  • pm-utilsパッケージに、新しく2種類のスクリプトが追加されました。バッテリー駆動時に、USBと、さまざまなPCIデバイスの消費電力を下げるためのものです。多くのデスクトップパッケージがこの挙動を妨害しないようにあわせて改良され、消費電力を低減させています。これにより、バッテリー駆動時間の向上が得られるでしょう。
  • すべてのUbuntuシステムにおいて、resolvconfによって/etc/resolv.confが管理されるようになります。より詳細な情報はこちらで得られます。

  • Backportsリポジトリが、これまでより容易に利用できるようになりました。これを用いることで、新しいバージョンへのアップグレードを簡単に行うことができます。Ubuntu Backportsリポジトリはデフォルトで有効になっています。ただし、Backports由来のパッケージは暗黙ではインストールされません。パッケージ管理ソフトウェアから明示的にBackports由来のソフトウェアを指定する必要があります。一度Backportsに含まれるバージョンを導入すると、以降はBackportsからより新しいバージョンのソフトウェアが自動的に導入されるようになります。
  • DVDイメージ。DVDイメージの整理により、おおむね1.5GB程度の容量に縮小されました。DVDに含まれないソフトウェアは、ダウンロードによって入手できます。

Linux v3.2.14 Kernel

Ubuntu 12.04 LTSは、メインラインカーネルv3.0系から、v3.2系に更新されました。リリース時点では3.2.0-23.36カーネルが採用されています。このカーネルはアップストリームのv3.2.14 stable Linux kernelをベースにしています。メインラインカーネルv3.0からv3.2の間に、多くの新機能が追加されました。主要な点は次の通りです。

  • ext4ファイルシステムが、より大きなブロックサイズをサポートします。
  • btrfsファイルシステムに、データの完全性問題を改善するための改良が加わります。
  • device mapperに、シンプロビジョニング機能と再帰的スナップショット機能が加わります。
  • 大きなライトバック負荷が発生した場合のパフォーマンスが改善されます。
  • 輻輳が生じているネットワークにおけるパフォーマンスが改善されます。
  • ext3ファイルシステム上での移動操作が、ファイルシステムバリアを利用したものになります。
  • メモリアロケータに改良が加わります。
  • VFSのスケーラビリティが強化されます。
  • iSCSIの実装が新しいものになります。
  • Software RAIDの実装に、バッドブロック対応が追加されます。

11.10で採用されているUbuntuカーネル3.0.0-12.20からの更新点は、次の通りです。

Upstart 1.5

Upstartをバージョン1.5に更新しました。より詳細な情報が、Upstart Technical Overview(未訳)にあります。

GNU Toolchain

Ubuntu 12.04には、デフォルトのtoolchainとしてGCC 4.6.3 (Linaro GCC 4.6-2012.02の修正を追加したもの)、binutils 2.22、eglibc 2.15とLinaro gdb 7.4-2012.04が含まれます。

11.10と比較した場合、toolchainはマイナーバージョンの変更とバグフィックスだけが追加されています。10.04 LTSと比較した場合、GCCのアップデートが含まれます。

  • より良い標準をサポートするため、フロントエンド実装が更新されています(次の実装を含みます。Ada 2012、Objective-C 2.0、ISO C++ standardに基づくC++0x(実験的サポート)、Fortran 2003と2008、Go)。
  • 最適化が強化されました。inter-procedural optimizationsと、link time optimization (LTO)の強化を含みます。

より詳細な情報は、アップストリームの情報を参照してください(GCC-4.6, GCC-4.5, binutils, gas, ld, gdb)。

Python Toolchain

  • Ubuntu 12.04にはPython 2.7.3 とPython 3.2.3が含まれます。Python 2.6はインストールできなくなりました。

  • Python 3系に対するより強力なサポートを提供しています。次のソフトウェアはPython 3系をベースとしています。python-dbus, python-feedparser, germinate, lazr.ui, wadllib, python-defer, python-keyring, python-qt4。これ以外にもPython 3系列に移植されたソフトウェアを含みます。

Java Toolchain

Javaのデフォルトランタイムは、OpenJDK 6b24 (IcedTea 1.11.1)です。OpenJDK 7u3 (IcedTea 2.1)を追加パッケージとして導入することもできます。

インストール

概要

Lubuntuのインストールを、よりシンプルにする一方で、ディスク設定の選択肢を拡張しました。それぞれの操作の詳細説明を見直し、選択した操作の結果を、より分かりやすく把握できるようにしています。

Desktop CDから起動されるインストーラーは、インターネットに接続されていれば、既存のLubuntu環境をアップグレードしたり、あるいは再インストールしたりすることができます。

ダウンロード

Lubuntuをダウンロードし、利用可能なさまざまなオプションを知るには、Lubuntuの入手 の情報を参照してください。このセクションは、標準的なインストールに加え、少ないメモリ (RAM)、古いチップセット (i586)、PowerPC、Mac、および少ないディスクスペース (ネットブック) のコンピュータでの要件についても説明しています。

システム要件

Pentium IIあるいはCeleron、128MBのRAMは、おそらく、標準的な Lubuntu デスクトップとして、遅いながらも使い物になる環境の最低ラインのコンフィギュレーションでしょう。

非PAEカーネルを使用するため、デフォルトの i686 (32bit) イメージは、同等のUbuntuイメージよりも多くのハードウェアをサポートしますが、4GBのメモリー制限があります。32bit環境で4GBを超えるメモリーを使用する場合は、Get Lubuntu でより詳細な説明を参照してください。

PowerPCについては、649MBのRAMで、867MHzで動作している G4 で起動することが知られています。

IntelベースのMacについては、すべてのモデルでLubuntuが動作するはずです。

どれをダウンロードして使用するかのより詳細な情報については、Lubuntuの入手 を参照してください。

アップグレード

Lubuntu 11.10 からのアップグレード

アップデートマネージャー GUI が 12.04 の Lubuntu を提案します (Ubuntu として表示されますが、Lubuntuの更新となります)。あるいは、LXTerminal を起動し、次のコマンドを入力します。

sudo do-release-upgrade

以下にあるとおり、32bitと64bitアーキテクチャ混合の環境 (たとえば、64bit環境上のSkype)では、apt および dpkg のアップグレードが重要であることに注意してください。

既知の問題

インストール

  • Broken icon falsely indicates reducing the size of a partition is not possible. (986607)

グラフィックおよびディスプレイ

  • なし

アプリケーション

  • gnome-mplayer は、いくつかの特定のハードウェア (Pentium 3 または Pentium 4) でクラッシュする可能性があります。mplayer パッケージのインストールを行うことで、この問題の回避策となるでしょう。 (974125)

  • lxkeymap は、特定のキーボード設定でクラッシュする可能性があります。 (945603)

起動とインストール・インストール直後の問題

  • [Dell Studio XPS 1340,Alienware m17x]において、ブート時にite-cirドライバーがロードされたタイミングでカーネルパニックに伴うハングアップが生じます。パッチはアップストリームにすでに送られており、テスト用のカーネルがバグレポートから参照できます。12.04のリリース後、可能な限り早い時期に precise-updates リポジトリに修正したカーネルを提供する予定です。 (984387)

  • 「Unibody」を採用したMacbookにおいて、液晶を閉じると画面との干渉でタッチパッド操作が入力されてしまいます。これにより、タッチパッドジェスチャやクリックが誤って生じたり、そのままサスペンドに入ることで、入力ドライバーの状態が期待しない状態に陥る可能性があります。この問題へのワークアラウンドとして、復帰時点で次の操作を行い、カーネルモジュールを一度アンロードし、再度読み込ませてください。
    $ sudo rmmod bcm5974
    $ sudo modprobe bcm5974

    注意:これにより、タッチパッドオプションのいくつかの機能が無効になります。たとえば水平スクロールが該当します。これらのオプションは、「マウスとタッチパッド」設定画面を開くことで回復します。この問題には、リリース後のアップデートで対処予定です。 (968845)

  • いくつかのケースで、Windowsユーザーアカウントのインポートが失敗することがあります。 (987902)

  • Wubi (Windows向けUbuntuインストーラー) は、Ubuntu Desktop/DVDには含まれなくなり、かわりに単体でダウンロードして利用するようになりました。

アップグレード

  • aptitudeは64bit環境では、/etc/dpkg/dpkg.cfg.d/multiarch でMultiarch機能を無効にしないと動作しません。 (831768)

  • amd64アーキテクチャのUbuntu 11.10環境でi386パッケージを導入していた場合、アップグレードの前に oneiric-updates リポジトリから更新された apt と dpkg パッケージを導入しておくことを強く推奨します。これらのパッケージは、multiarch環境で発生するさまざまな問題を解決します。 (850264, 902603)

  • いくつかのケースで、update-managerがハングアップしているようにしか見えないことがあります。こうした場合、ウインドウ下部の「広げる」ボタンをクリックして端末表示を展開し、端末上で表示されているdebconfへの応答を行なってください。 (979661)

  • Alternete CDやServer CDをパッケージリポジトリとして用いた場合、Ubuntu 10.04 LTSから12.04 LTSへのアップグレードに失敗します。Ubuntu 10.04 LTSのユーザーは、7月に予定されている12.04.1 LTSポイントリリースまでアップグレードを待つことをおすすめします。 (988941)

12.04.2の追加事項/日本語訳版独自の項目

  • 仮想化環境でUbuntuを利用している場合(特に仮想化ソフトウェアが提供するアクセラレーション機能を持った追加ドライバを導入している場合)、アップグレードを行う前に[https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-jp/2013-March/004317.html メーリングリストで報告された現象]を確認し、問題が起きても対処できるようにしてください。なおこの現象は、未確認ではありますが12.04.2以前の12.04系列でも類似した現象が発生した報告があり、12.04.2以前の12.04でも発生する可能性があります。

Kernel

  • ARM omapイメージにおいて、Beagle XM boardのネットワークサポートが機能していません。(838200)

  • [Dell Studio XPS 1340,Alienware m17x]において、ブート時にite-cirドライバーがロードされたタイミングでカーネルパニックに伴うハングアップが生じます。パッチはアップストリームにすでに送られており、テスト用のカーネルがバグレポートから参照できます。12.04のリリース後、可能な限り早い時期に precise-updates リポジトリに修正したカーネルを提供する予定です。 (984387)

  • Asus製ノートPC K53Uに搭載された、Sentelic touchpadが機能しません。パッチはバックポート済みで、12.04のリリース後、できるだけ早い時期に precise-updates リポジトリにアップデートされたカーネルを提供する予定です。(969334)

  • Broadcom製bluetoothデバイスBCM20702A0([0489:e042])に対応していません。パッチはアップストリームにすでに送られており、12.04のリリース後、できるだけ早い時期に precise-updates リポジトリにアップデートされたカーネルを提供する予定です。(980965)

  • comediドライバーにバッファオーバーフロー問題が含まれます。パッチはすでにアップストリームからバックポートされており、テストカーネルがバグレポートから参照できます。12.04のリリース後、できるだけ早い時期に precise-updates リポジトリにアップデートされたカーネルを提供する予定です。 (981234)

  • Intel製 gma 4500mhd ドライバーを利用している環境では、外付けモニターに正しく画像が表示されません。パッチはすでにアップストリームからバックポートされており、12.04のリリース後、できるだけ早い時期に precise-updates リポジトリにアップデートされたカーネルを提供する予定です。 (796030)

  • 12.04上でNFSクライアントを利用している場合、「Kernel Oops - BUG: unable to handle kernel paging request; RIP: nfs_have_delegation+0x9/0x40 [nfs].」が生じることがあります。テスト用のカーネルがバグレポートから参照できます。パッチはすでにアップストリームからバックポートされており、12.04のリリース後、できるだけ早い時期に precise-updates リポジトリにアップデートされたカーネルを提供する予定です。 (974664)

  • アップストリームのv3.2.15とv3.2.16のパッチは、最初のカーネルパッケージのSRUには間に合わないため、precise-proposed リポジトリから提供する予定です。これらは、12.04のリリースから約3週間のちに precise-updates リポジトリからアップデートできるようになるでしょう。 (981162, 987337)

  • hid-logitech-djドライバーがインストーラーに含まれていません。すでにd-iのinput-modules udebに追加されたので、12.04.1のポイントリリースではインストーラーに含まれる予定です。 (975198)

  • rtl8187ドライバーがインストーラーに含まれていません。すでにd-iのnic-usb-modules udebに追加されたので、12.04.1のポイントリリースではインストーラーに含まれる予定です。 (971719)

  • eGalaxisのタッチスクリーンドライバーが動作しません。パッチはすでにアップストリームからバックポートされており、テストカーネルがバグレポートから参照できます。12.04のリリース後、できるだけ早い時期に precise-updates リポジトリにアップデートされたカーネルを提供する予定です。 (913164)

  • PowerPC上のATI/radeonフレームバッファはモジュールとして提供されるのみで、カーネルには埋め込まれていません。このため、コマンドプロンプトの起動時にttyコンソールが表示できなかったり、サスペンドに失敗したりします。これらのモジュールを埋め込むためのパッチはすでに適用済みで、12.04のリリース後、できるだけ早い時期に precise-updates リポジトリにアップデートされたカーネルを提供する予定です。 (949288)

  • ATI Radeon 9200グラフィックスカードを使っているシステムの場合、起動すると黒画面になってしまいます。ブートローダーで、カーネルのコマンドラインに「nomodeset」を追加することで回避可能です。 (725580)

  • Fujitsu Siemens Amilo M 7400とMaxdata 7000DXのRF killスイッチは無線機能をうまく無効化できず、カーネルパニックを引き起こします。カーネルコマンドラインに「noexec=off」を追加することで回避可能です。 (979253)

  • Beagle XMシステムは1GHzで動作可能であっても、800MHzで初期化されてしまうために、パフォーマンスが低下します。 (771537)

  • 一部のEFIシステムでは、EFIでの起動に失敗します。その場合は、BIOSモードを使用してください。 (721576)

11.10 からの変更点

  • 新しい アートワーク が使用されています。

  • Lubuntu 12.04 はディスプレイマネージャーとして Lightdm を lightdm-gtk-greeter とともに使用するようになりました。

  • Blueman が、gnome-bluetooth の代わりに、Bluetooth デバイス管理に使用されるようになりました。

サポート

  • 18 か月 (12.04 Lubuntu は LTS ではありません)。
  • 連絡先

PrecisePangolin/ReleaseNotes/ja/Lubuntu (last edited 2012-04-29 04:15:21 by cosmos-door)