イントロダクション

このリリースノートには、Ubuntu 20.04 LTS (Focal Fossa) のリリース概要と Ubuntu 20.04 LTS とそのフレーバーに関する既知の不具合を記述しています。20.04から適用された変更の詳細については、20.04.1 変更の概要(英語)を確認できます。同様に20.04のリリースノートも確認できます(訳注:原文も現在は同じページにリダイレクトしています)。

サポート期間

Ubuntu Desktop、Ubuntu Server、Ubuntu Cloud、Ubuntu Coreのメンテナンスアップデートは 2025年4月 まで5年間サポートされます。そのほかすべてのフレーバーは3年間サポートされます。追加のセキュリティサポートはESM (Extended Security Maintenance) が利用できます。

公式フレーバーのリリースノート

公式フレーバーのリリースノートはこちらで確認できます。

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イメージはお近くのミラーサイトからもダウンロードできるでしょう。

ISO およびフラッシュ可能なイメージはこちらからダウンロードできます: https://releases.ubuntu.com/20.04/ (AMD64 向け Ubuntu デスクトップとサーバー)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntu/releases/20.04/release/ (余りダウンロードされない Ubuntu イメージ)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntu-legacy-server/releases/20.04/release/ (余りダウンロードされない Ubuntu イメージ)
http://cloud-images.ubuntu.com/daily/server/focal/current/ (Ubuntu Cloud イメージ)
http://cdimage.ubuntu.com/kubuntu/releases/20.04/release/ (Kubuntu)
http://cdimage.ubuntu.com/lubuntu/releases/20.04/release/ (Lubuntu)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntu-budgie/releases/20.04/release/ (Ubuntu Budgie)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntukylin/releases/20.04/release/ (Ubuntu Kylin)
https://ubuntu-mate.org/download/ (Ubuntu MATE)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntustudio/releases/20.04/release/ (Ubuntu Studio)
http://cdimage.ubuntu.com/xubuntu/releases/20.04/release/ (Xubuntu)

Ubuntu 18.04 LTS または 19.10 からのアップグレード

デスクトップ環境でのアップグレード手順は次のとおりです:

サーバー環境でアップグレードするには、次の手順を用います:

注意:サーバーのアップグレードでは GNU screen を使用しており、通信が切断されてしまった場合などでも自動的に再アタッチします。

20.04 LTSのポイントポイントリリース後からアップグレードが有効となるため、Ubuntu 18.04 LTSでは-dのスイッチが必要になります。

Ubuntu デスクトップおよび Ubuntu サーバーのオフラインでのアップグレードオプションはありません。公式ミラーや、各地の接続可能なミラーのいずれかにネットワーク接続できることを確認して、上記の指示に従ってください。

i386 環境でのアップグレード

i386 アーキテクチャーのユーザーは、 Ubuntu 20.04 LTS へアップグレードできません。また、ホストアーキテクチャーとしての i386 のサポートは 19.10 で廃止されました。

20.04 LTS の新機能

アップデートされたパッケージ

Ubuntu 20.04 LTSには、すべてのUbuntuリリースでフリーソフトウェアコミュニティによって開発された、最新かつ最高のソフトウェアセレクションが付属しています。

Linux カーネル

Ubuntu 20.04 LTS はLinuxの長期サポートリリースである 5.4 がベースとなっています。 5.3からの5.4への注目すべき機能と拡張には以下のものが含まれています:

18.04 LTSでリリースされたバージョン 4.15 から 5.2 への注目すべきカーネルの更新には以下のものが含まれています:

ツールチェインの更新 🛠️

Ubuntu 20.04 LTS は、glibc 2.31、☕ OpenJDK 11、rustc 1.41、GCC 9.3、🐍 Python 3.8.2、💎 ruby 2.7.0、php 7.4、🐪 perl 5.30、golang 1.13の新しいアップストリームリリースを含む、最先端のツールチェーンに更新されています。

Ubuntu デスクトップ

ネットワーク設定

このUbuntuのリリースでは、netplan.ioの以下の複数の新しい機能が進化しました:

ストレージ/ファイルシステム

ZFS 0.8.3

Eoanのリリースから開始した継続的取り組みにより、Ubuntu Focalではzfs 0.8.3を送り出します。以前のLTSリリースで利用可能であったものと比較して、zfs 0.8は多くの新機能をもたらします。 ハイライトは以下のとおりです:

以前のLTSリリースで利用可能であったものと比較して、zfs 0.8は多くの新機能をもたらします。 ハイライトは以下のとおりです:

アップストリームの 0.8.0 リリースノート: https://github.com/openzfs/zfs/releases/tag/zfs-0.8.0

さらなる詳細は0.8.10.8.20.8.3で確認することもできます。

18.04 LTSからのその他のベースシステムの変更

Python3がデフォルトになりました

20.04 LTSでは、ベースシステムに含まれる「python」はPython 3.8になりました。Python 2.7はuniverseに移動し、新規インストールでもデフォルトで含まれなくなりました。

Python 2.7を必要とするUbuntuの残りのパッケージは、/usr/bin/python2を自身のインタプリターとして使用するよう更新され、新規インストールでは /usr/bin/python は存在しなくなりました。過去のリリースからのシステムアップグレードでは、互換性のため /usr/bin/python を引き続いて python2 を指定するようになっています。新規インストールしたシステムで互換性のために /usr/bin/python を必要とするユーザーは、 python3 の代わりに /usr/bin/python を指定する python-is-python3 をインストールすることをおすすめします。

この移行のため、レガシーのpythonおよびpython-minimalパッケージはアップグレード中に削除され、python-is-python2パッケージの依存関係があるpython2python2-minimalパッケージに置き換えられます。

Snap Store

Snap Store(snap-store)はubuntu-softwareから置き換わり、パッケージやsnapを見つけてインストールするためのデフォルトのツールになりました。

Ubuntu Server

インストーラー

ライブサーバーインストーラーはすべてのアーキテクチャー向けのUbuntu Serverをインストールするための推奨されるメディアになりました。

アーキテクチャサポートの他、ユーザーに目に見える主な新機能は、自動インストールのサポートや、ブートローダーを複数のディスクにインストールを可能にしました(システムの回復力を高めるため)。

より簡単な暗号化の利用や、マルチパスディスクへのインストールをより適切なサポート、さまざまな方法で使用されているディスクへのより信頼性の高いインストール、障害をより便利に報告できるようにするなど、他の多くの修正が入念に行われました。

QEMU

QEMUは4.2リリースにアップデートされました。 個別の変更点を取り上げて紹介するにはあまりにも難しい分量のため、ここではほんのいくつかを紹介します:

これによる、Ubuntu 19.10以降の主な変更点については、完全な変更履歴である4.2および4.1を参照してください。

Ubuntu 18.04からアップグレードする方向けには4.03.13.02.12を確認できます。

アップグレードする場合は、ゲストが最新バージョンのすべての改善点や修正を十分に活用できるよう、マシンタイプをアップグレードすることを常におすすめします。

19.10からのアップグレード

分離したユースケースのような、削減されたコンテナー向けに新しいQEMUはmicrovmマシンタイプを持ち、qboot ROM( bios-microvm.binとして利用可能)と組み合わせて、起動時間を大幅に短縮し機能セットを削減します。さらに強調するため、qboot ROMによって提案されたこれらのユースケースで不要なすべての機能を取り除いた、代替QEMUバイナリを提供するパッケージ qemu-system-x86-microvm を使うことができます。

VMXに関連する機能は、VMXのオン/オフの代わりに個別に制御できるようになりました。 このため、特定のCPUタイプにおけるVMXのサブ機能がわずかに変更されている可能性があります(基本的なハードウェアに依存してほぼランダムにではなく、選択したCPUタイプと一致するようになりました)。一般的に(常にそうだったように)、ゲストを定義するときは明確に定義されたCPUタイプを使用することを推奨します。これは、virt-managerからopenstackまでのほとんどすべての高レベルな管理ツールが行っているでしょう。 しかし、最も汎用的で互換性のあるCPUが必要だがVMXも有効にする場合、qemu64 ではなく kvm64 タイプを使用してください。

nvdimmsと永続メモリで作業や実験をしたい人は、Ubuntu Focal FossaでQEMUはpmemnvdimmのサポートが有効になりました。

18.04からのアップグレード

QEMUでvirglrendererが有効になり、QEMU仮想マシン内で仮想3D GPUを作成できるようになりました。これはGPUパススルーより劣りますが、使用するプラットフォームに従来のPCIパススルーや、最新のVFIOを介したデバイスの機能がない場合には便利です。

グラフィカルなQEMUバックエンドはSDLかGTKベースになりました。デスクトップとの統合がよりよくなり、より早くなるでしょう。

libvirt

libvirtはバージョン6.0に更新されました。 Ubuntu 19.04で含まれていたバージョン5.6以降、またはUbuntu 18.04で含まれていたバージョン4.0以降の詳細は、アップストリームの変更履歴を参照してください。

19.10からのアップグレード

多くの改善の中で、言及すべき価値がある機能は以下になります:

18.04からのアップグレード

言及する価値があるのは、libvirtがマイグレーション用の並行接続を使用するQEMUの機能を有効にできるようになり、ネットワークがまだ飽和状態でなければマイグレーションを加速できるようになりました。

管理者は、libvirt-qemuプロファイルへの新しいlocal include apparmorの使いやすさを好むかもしれません。設定に一致する特別なデバイスやパスをへのオーバーライドが可能になり、アップグレード後に管理すべき必要がある設定ファイルへの差分がなくなります。

ゲストごとに生成されたカスタムのapparmorプロファイルによって、保護されたままGL対応のグラフィックスと仲介するデバイスを構成する機能を追加しました。 これは、qemuセクションで述べたVirGLと同じく、GPUベースの仲介デバイスを使用するために必要です。

libvirt-binの移行 -> libvirt-clients / libvirt-daemon / libvirt-daemon-system

Ubuntu 18.04 において、単体のモノリシックなパッケージであったlibvirt-binから、以下の3つのメインコンポーネントに分割されました:

同様に、めったに使用されずサポートが少ないvirtualboxやxenコントロールなどのサブ機能、一般的でないストレージオプションが、さまざまなlibvirt-daemon-driver-*パッケージに分割されました。 これにより、インストール時の専有領域とインストール時の大部分のアクティブコードを削減できます。

パッケージとプロジェクトには十分な移行時間があったため、libvirt-daemon-system + libvirt-clientsを取り込む空の互換性パッケージであるlibvirt-binがついに削除されました。古い名前を参照しているスクリプトまたはサードパーティのコンポーネントがある場合は、上記のリストを使用して最も新しいパッケージを選択してください。

dpdk

Ubuntu 20.04 LTSには、最新のLTSシリーズである19.11.x系の最新の安定版リリースである19.11.1が含まれます。

ごく最近リリースされた(安定版ではない)バージョンである20.02は現状、下流にあるプロジェクトでは採用されておらず(例:Open vSwitch)、これらとの互換性がありません。

19.11のドキュメントを確認し、19.11.1リリースノートで詳細を確認してください。

18.04からのアップグレード

DPDKの依存関係は、一定の範囲でよりテストされた・一般的なコンポーネントに再編されています。

DPDKの典型的なインストール環境において、これまでよりも少ないインストール容量と、おそらくより少ないコード変更で済む状態になっています。

Open vSwitch

Open vSwitchは2.13に更新されました。

詳細は、2.13リリースノートを確認してください。

18.04からのアップグレードを行う場合、以下それぞれのリリースノートも確認してください。

Chrony

Chronyはバージョン3.5に更新されました。このバージョンは正確さと制御について、多くの修正を含んでいます。くわえて、x86以外のアーキテクチャにおいて、システムコールの呼び出し時にシステムコールフィルタを有効にし、アーキテクチャに適した分離を提供します。

また、ハードウェアクロックをChronyに取り込むためのパッケージであるGPSDを完全にサポートするようになりました。

とはいえ、単純な時刻同期だけを目的として、ベースシステムはsystemd-timesyncdを利用しています。Chronyは、タイムサーバーとして動作する場合と、より正確で効率のよい時刻同期を要求する場合にのみ必要になるでしょう。

cloud-init

Cloud-initはバージョン20.1-10に更新されました。重要な機能は次の通りです。

Cloud platform features

ネットワーク機能

コンフィグモジュール機能

PHP 7.4

PHP 7.4に更新されます。7.4では、型付きプロパティ、アロー関数、弱参照、配列内での値のアンパックといった新しい機能が提供されます。より詳しい新機能や機能強化については、PHP 7.4 Release Announcementを参照してください。

また、deprecateされた機能や、それらの推奨される代替については、PHP 7.4 Deprecated Featuresページを参照してください。 Migration guides to 7.4 from 7.3や、それ以前のバージョンからの移行ガイドはPHP Manualにあります。Ubuntu 18.04ユーザーはPHP 7.2から7.4への移行を行うことになるため、Migration guides to 7.3 from 7.2も参照してください。

Ruby 2.7

デフォルトのRubyインタープリタは2.7に更新されます。このバージョンにはPattern Matching、REPL improvement、Compaction GC、キーワード引数を通常の引数から分離といった、いくつかの素晴らしい機能と強化が含まれます。全体的な強化とその詳細については、Ruby 2.7 Release Announcementを確認してください。

以前のリリースのUbuntu(18.04)からアップグレードしたユーザーは、Ruby 2.5から2.7へ移行を行うことになります。この場合は、Ruby 2.6 Release Announcementも役に立つでしょう。心に留めておくべき重要な点としては、いくつかのライブラリがRuby本体に同梱されなくなっていることです。以下が必要な場合は、個別にインストールしてください。

あわせて、blog postを参照してください。

Ruby on Rails 5.2.3

Ruby on Railsはバージョン5.2.3に更新されます。Ubuntu 18.04を利用していたユーザーは、メジャーバージョン更新である4.2.10から5.2.3へ移行することになります。注目する点は、Action Cableフレームワークの追加、APIだけに特化したスリムダウンされたRails、Active Recordのattributes APIなどがあげられます。Rails 5のリリースノートや、5.2のリリースノートを参照してください。

Ruby on Railsアプリケーションを更新する場合、upstreamの提供するアップグレードガイドを参照してください。

Ubuntu HA/Clustering

Kronosnet

kronosnet(もしくは短縮形のknet)は、Linux HAコンポーネント(corosync)の新しい基底ネットワークプロトコルです。機能としてノード間を複数のリンクで接続したり、active/active・active/passiveリンクフェイルオーバーの実現や自動的なリンクの回復、FIPS compliantな暗号化(NSS and/or OpenSSL)、自動的なPMTUdと、旧来のネットワークプロトコルよりも高い性能を持ちます。

主な新機能:

Corosync

Corosync 3のリリースノートより:

Corosync 3.0には、Kronosnet ( https://kronosnet.org/ ) を利用するためのものを中心に、多くの興味を引く設定が追加されています。また、デフォルトの(そして優先される)ネットワーク伝送系となっています。

Pacemaker

Pacemaker 2.0のリリースノートより:

2.0リリースにおける主なゴールは、deprecatedな記法のサポートを終了することでした。いくつかの小さなデフォルト設定の変更が行われ、デフォルト動作とツールの挙動が変化しています。ハイライト:Corosyncバージョン2とそれ以降のみがクラスタレイヤの基底として利用できます。HeartbeatとCorosync 1(CMANを含む)サポートは除去されました。

Pacemakerのバージョン1.1.11以前からのローリングアップグレードは行えません。これは基底となるクラスタスタックがcorosync 2やそれ以降の場合でも同様です。これ以外のローリングアップデートは、より新しいバージョンがcorosync 2やそれ以降のバージョン上に構成されている場合、通常、ごくわずかな変更や無変更で利用できます。

Resource Agents

Cluster Resource Agents (RAs)は、Pacemaker resource managerによって管理されるHigh Availability環境の各種サービスへのインターフェースとして用いられるOpen Cluster Framework (OCF)仕様に準拠しています。

Changelog:

Fence Agents

Fence Agentsは、各種デバイスの電源制御を行うスクリプトのコレクションです。これらは、機能不全を起こした、あるいはネットワーク的に普通になったノードを強制的に再起動したり、クラスタから除去するために用いられます。

keepalived

LVSクラスタにおいて、フェイルオーバーとモニタリングを行うデーモンです。Linux Virtual Server (LVS)を動作させる実サーバーのモニタリングに用いられます。LVSが動作を停止した場合、クラスタプールから実サーバーを除去し、また通知メールを送付することで管理者にサービス異常を検知させることができます。

isc-kea 1.6 安定バージョントラック

Universeにあるパッケージではあるものの、isc-keaは今後が期待される新しいDHCPサーバーです。Bindやisc-dhcpと同じ組織から提供されているものです。Focalにおいては、これを1.6.xの安定バージョンシリーズに変更しました。

Upstreamの1.6.0のリリースノート: https://downloads.isc.org/isc/kea/1.6.0/Kea160ReleaseNotes.txt

Upstreamの1.6.2のリリースノート(Focalの現バージョン): https://downloads.isc.org/isc/kea/1.6.2/Kea162ReleaseNotes.txt

Bind 9.16

Bindはupstreamの新しい安定版(9.16.x)に更新されています。

重要なパッケージの変更点としては:

Upstreamのbind9 9.16.0に関するblog post: https://www.isc.org/blogs/bind9.16.0_released/

より詳細なリリースノート: https://downloads.isc.org/isc/bind9/9.16.0/RELEASE-NOTES-bind-9.16.0.html

bind9のこのリリースまでの累積的な変更点のプレゼンテーション: https://youtu.be/5math9Oy97s?t=46

U2Fサポートを含むOpenSSHのアップデート

OpenSSH 8.2は、U2F/FIDOハードウェアデバイスのサポートを追加し、ハードウェアベースの2要素認証を簡単にました。これは以下のように簡単です:

# デバイスを差し込み以下のようにします:
$ ssh-keygen -t ecdsa-sk
Generating public/private ecdsa-sk key pair.
You may need to touch your authenticator to authorize key generation. <-- デバイスにタッチする
Enter file in which to save the key (/home/ubuntu/.ssh/id_ecdsa_sk): 
Enter passphrase (empty for no passphrase): 
Enter same passphrase again: 
Your identification has been saved in /home/ubuntu/.ssh/id_ecdsa_sk
Your public key has been saved in /home/ubuntu/.ssh/id_ecdsa_sk.pub
The key fingerprint is:
SHA256:V9PQ1MqaU8FODXdHqDiH9Mxb8XK3o5aVYDQLVl9IFRo ubuntu@focal

公開鍵の部分をサーバーの ~/.ssh/authorized_keys に転記すれば準備完了です:

$ ssh -i .ssh/id_ecdsa_sk ubuntu@focal.server
Confirm user presence for key ECDSA-SK SHA256:V9PQ1MqaU8FODXdHqDiH9Mxb8XK3o5aVYDQLVl9IFRo <-- デバイスにタッチする
Welcome to Ubuntu Focal Fossa (development branch) (GNU/Linux 5.4.0-21-generic x86_64)
(...)
ubuntu@focal.server:~$

DebianにおけるOpenSSH 8.2のアップストリーム開発で、設定ファイルに'Includes'キーワードのサポートが追加]されました。 これは、glob(3)パターン経由で追加の設定ファイルを含めることができます。 デフォルトではシステムのsshd構成(/etc/ssh/sshd_config)に/etc/ssh/sshd_config.d/*.conf配下のファイルが含まれるようになりました。設定ファイルのキーワードごとに、最初に取得した値が利用されます。これはさまざまなクラウドイメージで使用され、パッケージのアップグレード時にdebconfプロンプトを回避しながら、クラウド固有のチューニングを適用できます。

sshdの効果的な設定は、'sudo sshd -T' を実行することで検証できます。 これにより、複数の設定ファイルが読み取られて検証し、終了前に有効な設定が出力されます。

さらなる詳細は、アップストリームのリリースノートを参照してください: https://www.openssh.com/txt/release-8.2

HAProxy 2.0

Ubuntu Eoan 19.10で最初に導入されたHAProxyは、FocalではアップストリームのLTS 2.0ブランチに追従しています。このシリーズには、以前の 1.8 安定版ブランチと比較して多くの新機能があり、すべてこのブログの投稿で詳しく説明されています: https://www.haproxy.com/blog/haproxy-2-0-and-beyond/

Apache、TLSv1.3、クライアント証明書認証

ApacheはTLSv1.3サポートを組み込んでおり、サーバー設定によっては、クライアントが証明書認証を実行してPost Handshake Authentication(PHA)をサポートする必要がある場合があります。すべてのTLSv1.3対応のクライアントがPHAを実行できるわけではなく失敗する場合もあります。このエラーが生じる前兆として、Apacheのサーバーログに以下のメッセージが出力されます: :

AH: verify client post handshake
AH10158: cannot perform post-handshake authentication
SSL Library Error: error:14268117:SSL routines:SSL_verify_client_post_handshake:extension not received

この場合、PHAをサポートするために更新されたクライアントバージョンがない場合は、影響を受けるクライアントでTLSv1.3を無効にすることを推奨します。

Chromiumのバグ: https://bugs.chromium.org/p/chromium/issues/detail?id=911653

Firefoxのバグ: https://bugzilla.mozilla.org/show_bug.cgi?id=1511989 (fixed, can be enabled by toggling security.tls.enable_post_handshake_auth)

"python httplib should enable post-handshake authentication for TLS 1.3" (pythonのイシュートラッキング): https://bugs.python.org/issue37440

Samba 4.11

Sambaのバージョンは4.11.xになりました。多くの変更が加えられていますが、特筆すべきは以下の点です:

Samba 4.11.0の詳細なリリースノートはこちらを参照してください: https://www.samba.org/samba/history/samba-4.11.0.html

PostgreSQL 12

PostgreSQLのバージョンはpostgresql-12になりました。これには多くの改善が含まれています:

アップストリームのリリースアナウンスはこちらを参照してください: https://www.postgresql.org/about/news/1976/

アップストリームのリリースノートはこちらを参照してください: https://www.postgresql.org/docs/12/release-12.html

nginx

Focal Fossaから、nginx-coreはレガシーであるgioipモジュールをデフォルトで含まれなくなりました。もし、nginxでレガシーなgeoipモジュールを利用している場合、設定でgeoipモジュールを非アクティブ化しないと、アップグレードで問題が発生する可能性があります。これはGeoIPのレガシーサポート廃止の一環として行われました。

以下に直面しうる、いくつかのシナリオを挙げます:

Squid 4.x

以前の Ubuntu 18.04 LTS からアップグレードする場合、Squidプロキシキャッシュはバージョン4になります。他の変更の中でも、カスタムログ形式を使用した場合に組み込みフォーマットの再定義が機能しないことに注意してください。 (upstream bug: https://bugs.squid-cache.org/show_bug.cgi?id=4905)

例えば、以下のようにタイムスタンプを変更するために squid ログフォーマットを再定義している場合:

logformat squid  %tg{%F %H:%M:%S %z} %6tr %>a %Ss/%03>Hs %<st %rm %ru %[un %Sh/%<a %mt

以下のように他の名前を使用して、それを利用するように指定しなければいけません:

logformat custom-squid  %tg{%F %H:%M:%S %z} %6tr %>a %Ss/%03>Hs %<st %rm %ru %[un %Sh/%<a %mt
access_log daemon:/var/log/squid/access.log custom-squid

s390x

IBM ZとLinuxONEにおける、s390x固有の機能強化が19.10から行われています(部分的に、s390xに限らない要素があります):

OpenStack Ussuri

Ubuntu 20.04 LTSには、最新のOpenStackリリースであるUssuriがプレビュー版(最終的なリリースは20.04.1 LTS)として含まれており、以下のコンポーネントが含まれています:

OpenStackのこのリリースにおける全ての詳細は、OpenStack Ussuri リリースノートを参照してください。

OpenStack UssuriはUbuntu 18.04 LTSユーザー向けにUbuntu Cloud Archive経由でも提供されます。

警告: OpenStackデプロイメントをアップグレードすることは重要なプロセスであり、各OpenStackデプロイメント固有のアップグレード手順を計画し、テストを行うよう注意する必要があります。

Jujuを使用してUbuntu OpenStackをデプロイする方法の詳細な情報は、OpenStack Charm リリースノートを必ずお読みください。

Ceph

Cephは「Ceph Octopus」である15.2.1リリースに更新されました。このリリースのすべての詳細はCeph Octopusリリースノートを参照してください。

このCephのリリースは、Ubuntu 18.04 LTSユーザー向けにOpenStack Ussuriで利用するためにUbuntu Cloud Archive経由でも提供されます。

クラウドイメージ ☁

Amazon Web Services (AWS)

Google Compute Engine

Microsoft Azure

Vagrant

Raspberry Pi

Ubuntu 19.10以降、Raspberry Pi向けの32ビット及び64bitのプリインストールイメージ(raspiに改名されました)は、Raspberry Pi 4プラットフォームをサポートしています。これにより、Raspberry Piファミリーにおける現代的なデバイスのほぼすべて(Pi 2B, Pi 3B, Pi 3A+, Pi 3B+, CM3, CM3+, Pi 4B)がサポートされています。

既知の問題

予想される通り、あらゆるリリースと同じように、今回のUbuntu 20.04 LTSのリリースにもユーザーが陥りそうな重大な既知の不具合がいくつか存在します。現時点で判明している不具合(およびいくつかの回避策)をここに記録しておきます。これらの不具合については、再度報告する必要はありません。

インストーラーとライブセッション

過去のリリースからのアップグレード時

Desktop

Raspberry Pi

日本語環境独自の記述

mozc-utils-guiがLiveセッションから削除されました

Ubuntu 19.04からmozc-utils-gui(「Mozcの設定」ソフトウェア)が公式版のLiveイメージから削除されました。これはmozc-utils-guiがQtに依存しているもののQtライブラリはすべてuniverseへと移行したことによる措置です。これにより公式版のLiveセッションとUbuntuのインストール直後はMozcから各種設定ツールを起動できません(日本語変換自体は可能です)。

mozc-utils-guiをインストールしたい場合は「システム設定」の「地域と言語」から「インストールされている言語の管理」を起動してください。有効化されている言語パックのうちインストールされていないパッケージが存在する場合は、その旨表示されますので画面の指示に従ってください。

経緯の詳細は以下のツリーを参照してください。


公式フレーバー

公式フレーバーの各リリースノートは、以下のリンクで参照できます:


より詳しい情報

バグレポート

あなたのコメントやバグレポート、レポートへのコメント・パッチの投稿・提案は、バグの修正や将来のリリース品質の改善につながります。ツールを用いてバグを報告してください

バグの修正を通じて貢献したいのであれば、Bug Squadページが役に立つでしょう。

Ubuntuに参加するには

Ubuntuを支援したいのであれば、以下の支援できる方法の一覧に目を通してみてください。

Ubuntuに関して

Ubuntuに関するより詳しい情報は、UbuntuのWebサイトUbuntu wikiを確認してください。

Ubuntuの開発に関するアナウンスを受け取るには、Ubuntu開発アナウンスメーリングリストを購読してください。

FocalFossa/ReleaseNotes/Ja (last edited 2021-01-16 07:30:05 by cosmos-door)