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Impish Indri リリースノート

イントロダクション

このリリースノートには、Ubuntu 21.10 (Impish Indri) のリリース概要と Ubuntu 21.10 とそのフレーバーに関する既知の不具合を記述しています。

サポート期間

Ubuntu 21.10は2022年6月まで9ヶ月間サポートされます。長期間のサポートが必要な場合は、Ubuntu 20.04 LTSの利用を推奨します。

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イメージはお近くのミラーサイトからもダウンロードできるでしょう。

ISO およびフラッシュ可能なイメージはこちらからダウンロードできます:

Ubuntu 21.04 からアップグレードする

デスクトップ環境でのアップグレード手順は次のとおりです:

  • システム設定から「ソフトウェアとアップデート」を開きます。
  • 3番目の「アップデート」と書かれたタブを選択します。
  • 「Ubuntu の新バージョンの通知」のドロップダウンメニューを「すべての新バージョン」にします。
  • Alt + F2 を押してコマンドボックスに"update-manager -c" と入力します(ダブルクオーテーションは付けません)。
    • 「ソフトウェアの更新」が開いて、次のように表示されるはずです: 「Ubuntu 20.10 が入手可能です」
  • 上記のようにならない場合は"/usr/lib/ubuntu-release-upgrader/check-new-release-gtk"も利用することができます。
  • 「アップグレード」を押し、画面に表示される指示に従います。

サーバー環境でアップグレードするには、次の手順を用います:

  • update-manager-core パッケージをインストールしていない場合はインストールします。

  • /etc/update-manager/release-upgrades の Prompt 行が 'normal' に設定されていることを確認します。

  • sudo do-release-upgradeのコマンドでアップグレードツールを起動します。

  • 画面に表示される指示に従います。

注意:サーバーのアップグレードでは GNU screen を使用しており、通信が切断されてしまった場合などでも自動的に再アタッチします。

Ubuntu デスクトップおよび Ubuntu サーバーのオフラインでのアップグレードオプションはありません。公式ミラーや、各地の接続可能なミラーのいずれかにネットワーク接続できることを確認して、上記の指示に従ってください。

i386 環境でのアップグレード

i386 アーキテクチャーのユーザーはアップグレードできません。また、ホストアーキテクチャーとしての i386 のサポートは 19.10 で廃止されました。

21.10 の新機能

アップデートされたパッケージ

Linux カーネル 🐧

Linux 5.13 では、新しいハードウェアのサポートが導入されたほか、あまり新しくないものもあります:

また、通常のバグ修正も多数行っています。

ツールチェインの更新 🛠️

GCCは11.2.0リリースに、binutilsは2.37、そしてglibcは2.34に更新されました。LLVMはバージョン13がデフォルトになりました。golangはバージョン1.17.xがデフォルトになりました。rustcはバージョン1.51がデフォルトになりました。

OpenJDK 18が利用可能になりました(ただし、パッケージビルドには利用できません)。

セキュリティの改善 🔒

nftablesがファイアウォールのデフォルトバックエンドとなりました。

ベースシステム

  • systemdはデフォルトで unified cgroup hierarchy へ切り替わりました(cgroup v2)。もし、レガシーな cgroup v1 hierarchy のままにしたい場合、ブート時のカーネルパラメータ systemd.unified_cgroup_hierarchy=0 で選択することができます。(bug 1850667)

Ubuntuデスクトップ

  • Wayland セッションがNvidiaのプロプライエタリドライバーを利用していても利用可能になりました。
  • PulseAudio 15 はBluetooth LDAC、AptXコーデックのサポート、より優れたオーディオ品質を提供するHFPBluetoothプロファイルを導入しました。

    • インストール時のリカバリーキー機能が改善されました。リカバリーキーはオプションで、より強力になり、編集可能となりました。

GNOME 👣

Ubuntu 21.10には、新しく改良されたアクティビティオーバービューのデザインを含むGNOMEバージョン40が搭載されました。ワークスペースは水平に配置され、オーバービューとアプリのグリッドは垂直にアクセスできるようになりました。それぞれの向きに対してキーボードショートカット、タッチパッドジェスチャー、マウスアクションが付随するようになりました。

アプリケーションの更新

  • Firefox 🔥🦊 バージョン 93がdebパッケージでなくデフォルトでsnapで提供されるようになりました。snapは発行元のMozillaとCanonicalが共同でメンテナンスしています。debパッケージはアーカイブに残っていて、Ubuntu 21.10がサポートされている間は、アップデートを続ける予定です。

  • LibreOffice 📚 バージョン 7.2.1

  • Thunderbird 🌩🐦 バージョン 91.1.2

サブシステムの更新

Ubuntu Server

OpenLDAP 2.5.6 への更新

  • OpenLDAPの新しいリリース、version 2.5.6がUbuntu Impishのユーザーに提供されます。このリリースには多くの変更が含まれ、新機能とともに、幾つかの古い機能がdeprecateないし削除されます。抜粋的な情報として、アップグレードによって生じる変更は次の通りです:
    • シェル(slapd-shell)、BDB、HDBバックエンドは削除されます。

    • ppolicy モジュールがビルトインスキーマを提供するようになります。外部スキーマ ppolicy は削除されます。

    • nssov モジュールは削除されます。

  • 特定の条件下で、post-installationスクリプトによる自動的な移行処理が 実行されない ことがあります(例:旧BDB/HDBバックエンドを利用している場合)。この場合、処理の失敗が通知されるとともに、slapd自動再起動は行われません。データ移行とサービス起動のためには、手動での対応が必要となります。README.Debian ファイル(/usr/share/doc/slapd/ 以下にあります)を参照してください。

Telegraf 1.19.2 への更新

  • このバージョンのTelegrafには幾つかの新機能が追加されています。
  • SNMP v3認証プロトコルに幾つかの追加(SHA-512対応を含む)が行われました。また、DataDog distributionsメトリックタイプをサポートしています。

PHP 8.0.8 のデフォルト化

  • Ubuntu はPHP 8ランタイム言語への更新を行いました。これとともに、Ubuntu 21.10ではPHPエコシステム全体をこのバージョンに合わせて更新しています。この更新により、複数の新機能、たとえばJITコンパイラ、Union型、Attributeのサポートが追加されます。

  • PHP7.4 のユーザーは、複数のdeprecateされた機能に注意する必要があります。アップグレード時にこれらの変更をアプリケーションに適用する必要があります。

Apache 2.4.48 への更新

  • Server APIに、SSL関連のinquiry関数が追加されます。この関数を用いることで、利用可能なSSLファンクションの識別の手間を削減するとともに、適切なモジュールのロードが実現されます。
  • OCSPレスポンスプロビジョニングをコア機能として追加します。mod_mdmod_ssl が相互にX509電子証明書データをやりとりできるようになります。

QEMU 6.0 への更新

  • このバージョンでは AMD SEV を利用した ES 拡張が追加されます。ゲストマシンのレジスタ情報をアセットとして厳格に保護することができます。

  • RISC-Vエミュレーションに多くの変更が投入されました。ARMv8.1M にも同様に、多くのARMエクステンションが追加されました。
  • 仮想NVMeコントローラがNVMe version 1.4に準拠するようになりました。また、サブシステム・マルチ発・ネームスペース共有が追加されました。
  • upstreamのchangelog for 6.0も参照してください。多くの機能追加と、非互換のある変更や削除された機能に対してどのように対処するべきかがリストされています。

Libvirt 7.6 への更新

  • virtio-pmem <memory/> モデル。

  • QEMUによる <transient/> ディスクでのシェアリングとホットプラグ。

  • virtiofs において、virtiofsdを利用することで多くの設定が可能になりました。 use cases allowing an external

  • 古いハイパーバイザーのサポートは打ち切られ、コードが削除されました。2.11 以前のQEMUと4.9以前のXenが対象となります。
  • s390ドメインにおいて、 s390-pv セキュリティタイプを指定することで、Protected Virtualizationセキュアモードでの起動をサポートします。

    • upstreamの Changelogs を確認し、 Ubuntu 21.04 で採用された7.0からの多くの新機能や変更を確認してください。

Open vSwitch 2.16 への更新

  • 1024-bit Diffie-Hellman鍵交換は削除されました。現在では安全ではないと判断されるためです。
  • OVSDBは新しいデータベースサービスモデルとして、 relay をサポートします。既存のデータベースに対して読込が支配的なアクセスに対してスケールアウトでの対応が可能な ovn-controller を対象としています。

  • Linux datapath: ovs-vswitchd per-cpuディスパッチモードでカーネルモジュールを構成します(可能な場合)。この変更により、per-vportディスパッチによるユーザースペースへの転送における問題を解決します。

  • その他の変更はupstream changelogで確認できます。

Chrony 4.1 への更新

  • よりセキュアなNTSのための機能として含め、Chrony 4.0 (Ubuntu 21.04で導入)から証明書設定機能が更新されています。

  • その他の4.0 からの更新はupstream news pageで確認できます。

Bind9 9.16.15 への更新

  • Ubuntu ImpishのBIND9ソフトウェアはhirsuteの9.16.8から更新されています。ゾーンクエリ・古いキーのパージや・ストールデータの制御のパフォーマンスが改善されています。

  • BIND9ではSPNEGOの実装において、以前のISCの実装に代えて、GSSAPIライブラリを利用するようになりました。

Containerd 1.5.5 への更新

  • このバージョンではNode Resource Interface (NRI)のサポートが追加されるとともに、containerdをインポートするプロジェクトに影響のある変更が加えられています。たとえば、CRIプラグインはmainリポジトリに移動されており、OCIライブラリについてはAPIが変更されています。
  • 1.4.xからの変更の詳細はupstreamのリリースページにあります。

Runc 1.0.1 への更新

  • これはruncのUbuntuに投入されるstableバージョンとしては最初のものです。このバージョンへの更新に伴い、幾つかの変更が加えられています。libcontainer API が以前のバージョンのライブラリとの互換性がありません
  • 多くのパフォーマンス改善とバグフィックが行われています。以前のUbuntuリリースに含まれていたバージョンからの変更の詳細についてはupstream リリースページを参照してください。

Corosync 3.1.2 への更新

  • このバージョンにおいては、デフォルトのcorosyc設定ではノード名を(以前のUbuntuで利用されていた) node1 にはセットせず、代わりに uname -n コマンドの実行結果を利用します。もし以前の挙動を維持したい場合、設定ファイルを確認し、必要な行のコメントアウトを解除してください。

Fence-agents を curated と non-curated エージェントに分離

  • 新しいupstreamバージョンの導入はありませんが、fence-agents パッケージは fence-agents-base (curated エージェント) とfence-agents-extra (non-curated エージェント)に分離されました。また、fence-agents は全てのエージェントをインストールするメタパッケージに変更されています。curatedエージェントとは、Ubuntu Server teamがCIシステムで継続的なバリデーションテストを行うものを意味します。

  • より詳細なcuratedエージェントについての情報は、Ubuntu Server guideを参照してください。

Resource-agents を curated と non-curated エージェントに分離

  • 新しいupstreamバージョンの導入はありませんが、resource-agents パッケージはresource-agents-base (curated エージェント) と resource-agents-extra (non-curatedエージェント)に分離されました。また、 resource-agents は全てのエージェントをインストールするメタパッケージに変更されています。curatedエージェントとは、Ubuntu Server teamがCIシステムで継続的なバリデーションテストを行うものを意味します。

  • より詳細なcuratedエージェントについての情報は、Ubuntu Server guide を参照してください。

OpenStack

Ubuntu 21.10 は 新しいOpenStackのリリースである Xena を導入します。以下のコンポーネントが含まれます:

  • OpenStack Identity - Keystone

  • OpenStack Imaging - Glance

  • OpenStack Block Storage - Cinder

  • OpenStack Compute - Nova

  • OpenStack Networking - Neutron

  • OpenStack Telemetry - Ceilometer, Aodh, Gnocchi

  • OpenStack Orchestration - Heat

  • OpenStack Dashboard - Horizon

  • OpenStack Object Storage - Swift

  • OpenStack DNS - Designate

  • OpenStack Bare-metal - Ironic

  • OpenStack Filesystem - Manila

  • OpenStack Key Manager - Barbican

  • OpenStack Load Balancer - Octavia

  • OpenStack Instance HA - Masakari

このバージョンのOpenStackリリースの詳細はOpenStack Xena release notesを参照してください。

OpenStack Xena は Ubuntu Cloud Archive を経由して、Ubuntu 20.04 LTSユーザーにも提供されます。

注意:導入済みの環境における OpenStack のアップグレードは簡単なプロセスではありません。細心の注意とともにアップグレードプランを準備し、また、アップグレード手順をテストする必要があります。この確認は各環境それぞれにおいて、個別に行われる必要があります。 OpenStack Charm Release Notes に、Jujuを用いてUbuntu OpenStackをデプロイ・オペレーションするための情報が記載されています。

プラットフォーム

クラウドイメージ ☁

  • AWS EC2 AMIはAWSが提供するタイムサーバーと一緒に、時刻同期サービスとしてchronyを使用するようになりました。
  • クエリーデータのEOL。Impish Indriは、Cloud Imagesのレガシーなクエリーデータフォーマットに収録される最後のリリースです。22.04以降、新しいUbuntuバージョンはクエリーデータに含まれなくなります。 クエリーデータを使用するスクリプトは、現在サポートされているファイルであるstreamsに移行する必要があります。Streamsはsimplestreamsでサポートされています。simplestreamsはソースやsnapdebianパッケージでインストールできます。

  • Streamsではmd5チェックサムが非推奨であり、Ubuntu 22.04からUbuntu Cloud Images Streamsでのmd5チェックサムが廃止されるることをお知らせします。現在、すべてのstreamがsha256チェックサムを生成しています。ユーザーはチェックサム検証を行うスクリプトでsha256を使用するように移行する必要があります。
  • MD5SUMSやSHA1SUMSファイルは https://cloud-images.ubuntu.com/ でリスト化されるイメージとしては非推奨になります。22.04以降では、これらファイルは生成されなくなります。代わりにSHA256SUMファイルを利用してください。

Raspberry Pi 🍓

  • Sense HAT サポートが追加され(bug 1944450bug 1944449)、sudo apt install sense-hat で必要な設定とライブラリをインストールできます。Sense HATデスクトップエミュレーターもsudo apt install sense-emu-toolsでインストールできます。

  • アップグレード時のブートシーケンスから、u-bootが削除されました (bug 1936401)。これは、USBマスストレージによるブートが新規インストールとアップグレードの *両方* に対応していることを意味します。

  • Serverイメージでは、cloud-initはイーサーネットと無線LANの両方で確実に動作するようになりました(bug 1870346)。

s390x

Ubuntu 20.04から、最小アーキテクチャのレベルセットがz13に引き上げられました。このため、この時点で稼働していたz13世代以降のIBM Z(およびLinuxONE)ハードウェアはすべてサポートされます。別途通知がない限り、次のUbuntuリリースにも適用されます(21.10も含む)。将来のハードウェアのサポートは、後に追加される可能性があります。

21.04におけるIBM ZとLinuxONE/s390x固有の機能強化は以下の通りです(一部はs390xに限りません):

  • Ubuntuの新しいリリース(それぞれ自身のカーネル)ごとに、s390-toolsパッケージを更新する必要があり、 今回はv2.17への更新が必要です (bug 1929024)。これには、LinuxがEBCDICエンコードされたデータセットをASCIIとして透過的に読み書きできるようにするzdsfsの透過的データセット変換(bug 1926749)や、KMIPインタフェースを持つ企業の鍵管理システムへのzkeyリポジトリの統合オプション (bug 1932521)、Secure Execution Headerに含まれるプレインテキスト制御フラグ(PCF)のデフォルトを変更(bug 1932177)などが含まれます。

  • gcc 11.2への移行に加えて、LLVM 13への更新(LLVM 12からのs390x最適化(bug 1926709)とValgrindにおけるz15サポート(bug 1853271))など、ツールチェインの更新が行われました。

  • また、RoCEアダプターのインターフェイス名をより予測しやすくするために、カーネル(bug 1929185)とsystemdの変更(bug 1929184)が必要になりました。

  • このリリースでは、s390xに特有のKVM機能強化をいくつかピックアップして対応しました。スピン・ロックのYield Forwardingによるパフォーマンスの向上(bug 1905021)、KVMがSIEに仕様上の例外を解釈させる(bug 1932157)こと、セキュア(実行)ゲストの表示サポートの追加(bug 1933173)、libvirtにおけるvfio-ccwデバイス割り当ての永続性の向上(bug 1887929)などが挙げられます。

  • もうひとつの改善点は暗号技術です。opencryptokiが3.16に更新された(bug 1928767)ことにより、セキュアなキーオブジェクトのccaトークンのインポートとエクスポートがサポート(bug 1913301)され、attribute-bound keyのep11トークンサポート(bug 1913303))とep11トークンプロテクトキーサポート(bug 1914215)が追加されました。
    また、libicaがv3.8.0への更新(bug 1928799)されたことにともない、ソフトウェアフォールバックによりopenSSL/libcryptoを呼び出せるようになりました(bug 1929176)。 cryptsetupもv2.3.6に更新され(bug 1929046)、openssl-ibmcaはv2.2.0に更新されました(bug 1929052)。これにより、ソフトウェアによるフォールバックなしでibmcaエンジンがlibicaを呼び出すようになり(libicaがハードウェア関数として確認がとれた場合にのみibmca関数を登録します)、ibmcaがフォールバック実行できるようになりました(bug 1929175)。
    カーネルレベルでは、APバスとzcrypt uevent拡張機能がzcryptドライバーに追加(bug 1933496)され、CEX8容認(toleration)が含まれています(bug 1933805)。

  • さらに、新しいIBM Zハードウェアの準備がカーネル(bug 1932174)とqemu(bug 1932175)に含まれました。

  • Query Capacityライブラリ(qclib)が最新バージョン2.3.0に更新され、更新されたglibc v2.34ライブラリには、v2.37へ更新したbinutilsアップデート(bug 1927080)と同様に、s390xに関連した改善がいくつか行われています(bug 1927079)。また、zlibはs390x用のCRC32最適化が行われ(bug 1932010)、PCRE2にはs390x用のパフォーマンスとJITの改善が行われました(bug 1931857)。
    また、SMC統計のアップポートがカーネルに導入(bug 1853290)され、smc-toolsパッケージが最新のv1.6.0に更新し、さらにいくつかの修正が行われました(bug 1853301)。

既知の不具合

予想される通り、あらゆるリリースと同じように、今回のリリースにもユーザーが陥りそうな重大な既知の不具合がいくつか存在します。現時点で判明している不具合(およびいくつかの回避策)をここに記録しておきます。これらの不具合については、再度報告する必要はありません:

Linuxカーネル

  • 5.13.0-19カーネルに含まれるZFSドライバのバージョンには、ファイルシステムが破壊される可能性のあるバグが含まれています。 ZFSのユーザーは、アップグレード前に21.10のカーネルにおける、最初の安定リリースアップデートまで待つことをお勧めします。

Ubuntuデスクトップ

  • UbuntuデスクトップのインストーラであるUbiquityで、NTFSパーティションをスキャンし、サイズ変更が可能かどうかを判断する際にハングアップする現象が確認されています。この症状は、インストーラーの「アップデートとその他のソフトウェア」画面から続行しようとすると、ボールカーソルが回転するというものです。 この現象が発生した場合は、再起動して再度試してください。

  • Firefox snapでは、仮想ターミナルの切替やサスペンドからの再開時にレンダラープロセスがクラッシュすることが知られています。これは、WaylandセッションにてWebGLが機能しなくなるのと同じ問題が原因です。この問題は、次の94.0リリース(Impish がリリースされた時点ではベータ版でした)で修正されていますので、回避策として以下のように一時的にsnapをベータチャネルに切り替えることが可能です:

    • snap refresh firefox --beta

Ubuntu Server

まだありません。

プラットフォーム

クラウドイメージ

ありません。

Raspberry Pi

  • LP #1946368: Raspberry Pi用のUbuntuデスクトップイメージでは、完全なKMSのサポートにおいて、HDMI出力が機能しなくなる問題があります(この問題は、リフレッシュレートが高いモニター(例えば100Hz以上)で特に発生しやすいようです)。この問題の回避策は以下の手順になります:

    • 他のマシンにSDカードを入れる
    • "system-boot"と書かれた1つ目のパーティション(または唯一のパーティション)にある config.txt ファイルをテキストエディターで開きます

    • dtoverlay=vc4-kms-v3d と書かれた行を見つけます

    • dtoverlay=vc4-fkms-v3d と書き換えます(つまり kmsfkms に変更します)

    • ファイルを保存し、安全にSDカードを取り出します
    • なお、デスクトップの要件によっては、fkms を利用することで異なる問題が発生し、そちらへの回避策が必要になることがあることに注意してください(例えば、bug 1899953を参照してください)

  • Raspberry Pi Compute Module 3は、ストレージが容量不足であるため、このリリースからサポートされなくなりました(CM3は4GBのオンボードeMMCストレージを搭載して出荷されましたが、Raspberry Pi向けのUbuntu Serverイメージはこのサイズを超えてしまいました)。後続のCompute Module 3+モデル(最小のストレージ容量は8GBのeMMC)はまだサポートされています。

s390x

まだありません。

一般的な問題

  • これ自身は問題ではありませんが、リリースノートに載せる価値があるものです。20.04.3以降のuseraddでは、全て数字のユーザー名 (例: 123、1337) を作成できません。このようなユーザー名は、systemdなどのコンポーネントで問題を引き起こすため、完全に許可しない方が安全です(bug 1927078)。

  • Xubuntuシステムをインストールした後のシャットダウン時に、インストールメディアを取り除いてEnterキーを押すというメッセージが表示されず、Xubuntuのロゴが表示されたり、左上にアンダースコアが表示された黒い画面が表示されたり、ただの黒い画面が表示されることがあります。Enterキーを押すとシステムは再起動を行います。(bug 1944519)

日本語環境の問題

  • LP #1946969:Waylandセッションでログインすると、ibus-x11が起動せず、日本語入力がまったくできない問題を確認しています。

    • この問題はログイン後に端末から「xrefresh」コマンド(もしくは他のX11アプリケーション)を実行することで回避可能です。
    • その他の回避方法については次のページを確認してください: https://zenn.dev/ikuya/articles/788626c3ae6ade

    • 将来的にmozcパッケージの更新によって、この問題は修正される予定です。

公式フレーバー

公式フレーバーの各リリースノートは、以下のリンクで参照できます:


より詳しい情報

バグレポート

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Ubuntuに参加するには

Ubuntuを支援したいのであれば、以下の支援できる方法の一覧に目を通してみてください。

Ubuntuに関して

Ubuntuに関するより詳しい情報は、UbuntuのWebサイトUbuntu wikiを確認してください。

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ImpishIndri/ReleaseNotes/Ja (last edited 2021-10-17 12:34:52 by kazken3)