Ubuntu 10.10 “Maverick Meerkat”は、Ubuntuの新バージョンとして、新しい機能を提供します。下記のリリースノートは、リリースに関連する概要と、Ubuntu 10.10やその派生バージョンの既知の問題をまとめたものです。

リリースの概要

Ubuntu Software Center

ソフトウェア・センターの最初のページに、「注目ソフト」と「新着ソフト」というショーウインドウが搭載されました。さらに、高速化が行われ、「履歴」機能を用いてインストールやアンインストール、アップグレードの経緯を確認することで、「何があったのか」を厳密に確認することができます。Fluendo DVD Playerを有償で購入することもできます。より多くのソフトウェアが、近い将来購入できるようになる予定です。

Ubuntu Fontファミリー

Ubuntu Fontファミリーは、Ubuntu・Kubuntuにおいて、メニューやウィジェット・タイトルなどのユーザーインターフェースに用いられる、新しいデザインの字体です。Ubuntu 10.10では、ラテン文字・キリル文字・ギリシャ文字が含まれ、レギュラー・ボールド・イタリック・ボールドイタリックをカバーします。このフォントは新しいインド・ルピー記号もサポートしています。Ubuntu 10.10は、インストール時点でIndian Rupee記号をサポートする最初のオペレーティングシステムとなり、これにより「インド人10億人」も使える準備ができました。

デザインは、ディスプレイ上で読みやすく、かつ審美眼にかなうものを目指しています。このフォントはまずUbuntu 10.04のロゴデザインから用いられており、Dalton Maagフォント工房とCanonical design teamの協働により、アラビア文字・ヘブライ文字のサポート・等幅デザインのサポートがUbuntuの将来のリリースで実現される予定です。

Ubuntu Desktop Edition

GNOMEベースとなるプラットフォームは、最新のバージョン2.32に更新されました。このバージョンでは、とりわけ新しいdconf と gsettings APIが含まれています。

Evolutionは、Ubuntu 10.04 LTSにあるバージョンと比べて、さらに早く動作するバージョン2.30にアップデートされました。

Shotwellは、標準の写真管理ソフトウェアであったF-Spotから置きかえられました。

Gwibberは、Twitterの認証システムにおける最近の変更をサポートするためにアップデートされ、また、性能向上のためバックエンドストレージの変更が行われています。

サウンドの通知は、音楽プレーヤーの操作を含むように拡張されました。

Ubuntuソフトウェアセンターは、見た目や操作性が更新されました。アプリケーションを紹介する"注目のアプリケーション"や"最新情報"といったショーケース的な表示に加え、「パッケージの詳細」表示の改良、"有償での購入"が行えるソフトウェアライブラリが追加されています。また、インストール履歴に簡単にアクセスできるようになりました。

Ubuntu One: アカウント登録やログイン処理が、デスクトップと一続きの表示になりました。Ubuntu シングルサインオン(Ubuntu SSO)による、一元管理によるものです。Nautilusはフォルダ同期の設定を行えるように拡張され、ファイル同期速度が高速化されました。Ubuntu One Music Storeでは、楽曲へのリンクを他の人と共有することができるようになりました。

Ubuntu Netbook Edition

Ubuntu Netbook Editionでは、新しいUnity インタフェースが標準となりました。これは、アプリケーションランチャの格納場所、ファイルブラウザ、zeitgeistの利用を通じた柔軟な検索、グローバルメニューバーと、アプリケーションを暗黙で最大化して起動することによる縦スペースの最適化が標準で含まれています。また、ランチャーも利用したアプリケーションのほとんどと調和を保ち、取り扱うことができます。UNE lucidで利用していたお気に入り・gnomeパネルのアイテム・デスクトップショートカットは、ラウンチャーの初回起動時に自動的に移行されます。

さらに、「日付と時間の通知」はきちんとしたカレンダーウィジェットと統合され、標準で含まれるようになりました。

標準の写真管理アプリケーションはShotwellに変更され、UNEはデスクトップ版すべての良さを受け継いでいます。Evolutionはネットブックの画面サイズにより適した、特別なモードで動作するようになりました。

UNEを実行するには、グラフィックドライバによる支援が必要です。そうでなければ、グラフィックドライバアクセラレータがないことに関して警告され、ログアウトして標準のubuntuデスクトップセッションを実行することを提案されるでしょう。

必要なハードウェアのリストから、UNEに適したハードウェアを確認することができます。

Kubuntu

Kubuntu 10.10には最新のKDEソフトウェアが含まれます。KDE プラットフォームとワークスペース、アプリケーションは4.5.1にアップデートされました。

10.10では、KubuntuはPlasma DesktopとPlasma Netbook ワークスペースの両方が機能するデスクトップとネットブックのイメージを1つのイメージにまとめています。ログイン時にあなたのマシンに適切なワークスペースで起動し、システムの設定でワークスペースを変更することもできます。

Plasma Netbookは標準でGlobal Menuをサポートするようになりました。

標準のウェブブラウザが、Qt WebkitをベースとしたKDEブラウザのRekonqになりました。

KDE bluetooth アプリケーションの集合であるBluedevilが標準でインストールされるようになりました。

KubuntuのインストーラーであるUbiquityは、OSのインストール時に制限パッケージのインストールを提供するようになりました。パーティション設定の後に始まるインストールは、より速い体験を提供します。

Qapt-batchは、update/batch-installer ユーティリティとしてinstall-packageから置き換えられました。

Qtは最新の4.7リリースに、Qt Webkitは2.0にアップデートしました。

Kubuntu Mobile Tech Previewは、スマートフォン向けに最適化されたワークスペースの改良版となりました。

より詳細な情報はKubuntuリリースページをご覧ください。

Xubuntu

Xfce4は最新の4.6.2リリースにアップデートされました。Xubuntuに含まれる各種プログラムにおいて、多くのバグが解消された、新しいバージョンが利用できます。

新しいデフォルトアプリケーション: Parole(Xfce4メディアプレイヤー)は、Totem動画プレイヤーを置き換えます。Xfburn(Xfce4 CD/DVDライティングツール)は、Brasseroを置き換えます。また、xfce4-taskmanager(Xfce4プロセスマネージャー)が、Gnome-Task-Managerを置き換えます。

Edubuntu

EdubuntuにはUbuntu由来の変更が取り込まれています。加えて、EdubuntuではGnome Nannyという、Edubuntuにおいてペアレンタルコントロールを実現するソフトウェアが提供されます。また、新しい壁紙のセットや、各種アートワークの強化も行われています。また、OEMインストールが利用できるようになりました。

こうした魅力的な機能は、新しいデザインに生まれ変わったEdubuntuのWebサイト http://www.edubuntu.org/ で確認できます。

Ubuntu Studio

Ubuntu StudioはUbuntuに由来するアップデートにより、多くのアプリケーションが更新されています。また、PulseAudioとJACKの併用時の調整が図られています。JACKを起動しても、もうPulseAudioが自動的に停止させられてしまうことはありません。複数のオーディオインターフェースを割り付けることができるなら、JACKとPulseAudioは互いに影響を与えることなく、独立して動作します。同一のインターフェースに割り付けた場合、JACKの動作が優先されます。 また、ネットワーク接続の設定はgnome-network-adminで行えます(これまでの、ネットワーク接続設定を反映しないようにするパッチは除去されました)。

また、以下のテストを歓迎します。

Mythbuntu

このリリースでは、MythbuntuはMythTV 0.23.1にアップデートされました。また、新しいバックアップ&レストアツールもあります。

以下の既知の問題が確認されています。

Ubuntu Serverのクラウド用イメージ

「cloud-init」ツールがMaverick Alpha2で更新され、任意に追加可能なフック、ebsmount・ext4サポート・cloud-configフォーマットにおける新しい記法をサポートしました。「cloud-init」は、Ubuntu Serverのクラウド用イメージに含まれる、設定変更可能な初期化プロセスです。

Alpha3では、クラウド用イメージ自身のカーネルを管理できるようになり、aptでカーネルアップデートを行うことも可能になっています。Amazonが提供するpv-grub を用います。この機能はMaverick Alpha3以降を利用したUECホストでも利用可能です。

Beta以降、クラウド用イメージを、EC2やUEC環境なしに稼働させることができるようになっています。これにより、cloud-initやその他の機能を、新しいEC2/UECインスタンスを実行しなくても簡単、かつ手早くテストすることができます。より詳細な情報はwikiにあります。

Linux kernel 2.6.35

リリース候補版には 2.6.35-22.33 カーネルが含まれています。これは、UpstreamのStable版 2.6.35.4 kernelを元にしています。

このカーネルには、追加のinputサブシステム用パッチによるマルチタッチ機能・Intel Sandybridgeの内蔵ビデオへのより良いサポート・82579チップのLOM・AppArmorのバグフィックスが含まれています。いくつかのKMSブラックリストは解除され、また、いくつかのセキュリティアップデートを含んでいます(CVE-2010-3081,CVE-2010-3301

インストール

Overview

インストーラ

Ubiquityインストーラが再デザインされ、インストール時にハードウェア・ドライバを追加でインストールしたり、アップデータをダウンロードすることができるようになりました。インストール時には、インストール開始に必要な必要最小限の内容(言語とパーティション設定)だけを設定し、CDからHDDへのファイルコピーがスタートしてから、転送中に残りの設定を行うようになりました。

新しいbtrfsファイルシステムを指定することもできます。手動でパーティション設定を行い、'/boot'を何らかの他の(訳注:ext3やext4などの)ファイルシステムにしてください。

Download Release

以下のリンクから、各種ISOイメージを直接ダウンロードすることができます。

その他の ISO イメージやトレントファイルは、以下にあります。

システム要件

Ubuntu 10.10では、動作に必要な最低限のメモリとして256MBが必要です。一部のコンピュータでは、グラフィックカードが利用するために、メインメモリの一部を利用できないことに注意してください。最低限のメモリ容量しか搭載していない場合、通常の環境に比べてインストールにより多くの時間がかかります。ただし、インストールが正常に完了すれば、利用する上での問題はあまり起こりません。

メモリの少ないシステムでDesktop CDを用いてインストールする場合は、「Ubuntuをインストールする」をメニューで選択し、インストーラーだけを動作させると良いでしょう。あるいは、Alternate CDを用いてインストールを行ってください。

ARM版 Ubuntu 10.10のリリースノート

開発者向けのUbuntu 10.10 armel移植版のリリースノートは別ページで参照できます。ARMへのインストールに影響を与える問題に関する情報は https://wiki.ubuntu.com/ARM/MaverickReleaseNotes (日本語訳:https://wiki.ubuntu.com/ARM/MaverickReleaseNotes/ja)を参照してください。

インストール

Ubuntu 10.04 LTSからのアップグレード

Ubuntu 10.04 LTSのユーザは、便利な自動プロセスによってUbuntu 10.10にアップグレードすることができます。他のUbuntuリリースを利用しているユーザは、まず10.04 LTSにアップグレードする必要があり、それから10.10にアップグレードすることができます。アップグレード方法の詳細な説明は http://www.ubuntu.com/getubuntu/upgrading を参照してください。

詳細な手順が、online に用意してあります(日本語版)。

Kubuntu 10.04 LTSからのアップグレード

Kubuntu 10.04 LTSからアップグレードするには、アップグレードガイドに従ってください。

その他のUbuntuリリースからのアップグレード

その他のUbuntuリリースのユーザは、まず10.04 LTSにアップグレードする必要があり、それから10.10にアップグレードすることができます。

アップグレードにおける既知の問題

既知の問題点

起動・インストール・アップグレード・初回起動時の挙動

dpkg-divert --local --rename --add /sbin/initctl
ln -s /bin/true /sbin/initctl

ファイルシステム

sudo stop avahi-daemon
sudo sed -e '/^start/,+1s/^/#/' /etc/init/avahi-daemon.conf

グラフィックとディスプレイ

ネットワークとWiFi

入力デバイス

標準的なデスクトップ

一般的なデスクトップアプリケーション

Ubuntu server edition

Ubuntu Netbook Edition

Kubuntu

Mythbuntu

Edubuntu

Ubuntu One

Others

For a listing of more known issues, please refer to the Maverick Meerkat bug tracker in Launchpad.

日本語版独自の記述

日本語に関する新機能・仕様変更

日本語環境に影響する既知の問題点

tar xzvf atokx3dpkg1158.tar.gz
cd bin/deb/IIIMF/ 
sudo dpkg -i iiimf-*deb

sudo apt-get install ibus-mozc/maverick mozc-server/maverick mozc-utils-gui/maverick

MaverickMeerkat/ReleaseNotes/ja (last edited 2011-03-30 08:17:14 by 112-68-190-206f1)