Table of Contents

Contents

  1. イントロダクション
      1. サポート期間
      2. 公式フレーバーのリリースノート
  2. Ubuntu 19.10 を入手する
    1. Ubuntu 19.10 をダウンロードする
    2. Ubuntu 19.04 からのアップグレード
      1. i386 環境でのアップグレード
  3. Ubuntu 19.10 の新機能
    1. 更新されたパッケージ
      1. Linux カーネル🐧
      2. ツールチェインのアップグレード 🛠️
    2. セキュリティ対策の改善🔒
    3. Ubuntu デスクトップ
      1. GNOME 3.34
      2. Ubuntu 19.10 の主な新機能
      3. ルートファイルシステムの ZFS 対応
      4. NVIDIA関連の改善
      5. アプリケーションのアップデート
      6. サブシステムのアップデート
    4. Ubuntu サーバー
      1. イメージ
      2. QEMU
      3. libvirt
      4. dpdk
      5. Open vSwitch
      6. MySQL 8.0
      7. PHP 7.3
      8. Raspberry Pi 🍓
      9. OpenStack Train
      10. cloud-init
      11. curtin
      12. s390x
    5. クラウドイメージ☁
      1. KVM に最適化されたゲストイメージ
  4. 既知の問題
    1. デスクトップ
      1. NVIDIA のプロプライエタリドライバーにおける Wayland の有効化
      2. Xorg セッションにおける分数スケーリング
      3. ライブセッションの開始に時間がかかる
      4. 確認ダイアログで ZFS ではなく ext4 が表示される
      5. ログイン画面からシャットダウンや再起動がおこなえない
      6. ふたつ以上のドライブが存在するとブートローダーが正しくインストールされない
    2. Raspberry Pi
      1. Raspberry Pi 3 A+の問題
  5. 公式フレーバー
  6. より詳しい情報
      1. バグレポート
      2. Ubuntu に参加するには
      3. Ubuntu に関して

イントロダクション

このリリースノートには、Ubuntu 19.10(Eoan Ermine)のリリース概要と Ubuntu 19.10 とそのフレーバーに関する既知の不具合を記述しています。

サポート期間

Ubuntu 19.10 は2020 年 7 月までの 9 ヶ月間サポートされます。長期サポートが必要な場合は、 Ubuntu 18.04 LTS の利用を推奨します。

公式フレーバーのリリースノート

公式フレーバーのリリースノートはこちらで確認できます。


Ubuntu 19.10 を入手する

Ubuntu 19.10 をダウンロードする

イメージはお近くのミラーサイトからもダウンロードできるでしょう。

ISO およびフラッシュ可能なイメージはこちらからダウンロードできます:

http://releases.ubuntu.com/19.10/ (AMD64 向け Ubuntu デスクトップとサーバー)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntu/releases/19.10/release/ (あまりダウンロードされない Ubuntu イメージ)
http://cloud-images.ubuntu.com/daily/server/eoan/current/ (Ubuntu クラウドイメージ)
http://cdimage.ubuntu.com/netboot/19.10/ (Ubuntu Netboot)
http://cdimage.ubuntu.com/kubuntu/releases/19.10/release/ (Kubuntu)
http://cdimage.ubuntu.com/lubuntu/releases/19.10/release/ (Lubuntu)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntu-budgie/releases/19.10/release/ (Ubuntu Budgie)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntukylin/releases/19.10/release/ (Ubuntu Kylin)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntu-mate/releases/19.10/release/ (Ubuntu MATE)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntustudio/releases/19.10/release/ (Ubuntu Studio)
http://cdimage.ubuntu.com/xubuntu/releases/19.10/release/ (Xubuntu)

Ubuntu 19.04 からのアップグレード

デスクトップ環境でのアップグレード手順は次のとおりです:

サーバー環境でアップグレードするには、次の手順を用います:

注意:サーバーのアップグレードでは GNU screen を使用しており、通信が切断されてしまった場合などでも自動的に再アタッチします。

Ubuntu デスクトップおよび Ubuntu サーバーのオフラインでのアップグレードオプションはありません。公式ミラーや各地の接続可能なミラーのいずれかにネットワーク接続できることを確認して、上記の指示に従ってください。

i386 環境でのアップグレード

i386 アーキテクチャーのユーザーは、 Ubuntu 19.10 へアップグレードできません。また、ホストアーキテクチャーとしての i386 のサポートは 19.10 で廃止されました。


Ubuntu 19.10 の新機能

更新されたパッケージ

Linux カーネル🐧

Ubuntu 19.04 は Linux 5.3 をベースにしています。 19.04 のカーネル 5.0 に対して、 AMD Navi GPU や新しい ARM SoC、 ARM Komeda ディスプレイ、 Xeon サーバーの Intel Speed Select など、さまざまな新しいハードウェアのサポートが追加されました。 PID の再利用の競合を回避できる pidfd や、新しい mount API、非同期 I/O における io_uring インターフェースのサポートは、開発者にとってうれしい機能でしょう。起動時間を改善するために、カーネルの圧縮アルゴリズムを多くのアーキテクチャーで lz4 に変更し、 initramfs の圧縮アルゴリズムはすべてのアーキテクチャーで lz4 に変更しました。

ツールチェインのアップグレード 🛠️

Ubuntu 19.10 では、glibc 2.30、☕OpenJDK 11、rustc 1.37、GCC 9.2、🐍Python 3.7.5, Python 3.8.0(インタープリターのみ)、💎ruby 2.5.5、php 7.3.8、🐪perl 5.28.1、golang 1.12.10 といった、最新のツールチェインが採用されています。POWER および AArch64 のツールチェインでもクロスコンパイラ方面で改善があり ARM、S390X および RISCV64 をターゲットしたクロスコンパイルが有効になりました。

セキュリティ対策の改善🔒

Ubuntu 19.10 では GCC に対して、スタッククラッシュプロテクションと制御フローインテグリティプロテクションの両方のサポートを含む、hardening オプションが有効化されました。いくつかを除き、main コンポーネントにあるほぼすべてのパッケージは、このオプションのもとに再ビルドされています。

Ubuntu デスクトップ

GNOME 3.34

19.10 では数多くの不具合が修正され、いくつかの新機能が導入され、応答性や性能がかなり改善された、GNOME 3.34 を採用しています。

Ubuntu 19.10 の主な新機能

ルートファイルシステムの ZFS 対応

NVIDIA関連の改善

アプリケーションのアップデート

サブシステムのアップデート

Ubuntu サーバー

イメージ

ppc64el と arm64 向けのライブサーバーISO イメージは、プロダクションレディと言える状態になり、これらふたつのアーキテクチャーのベアメタルマシンに Ubuntu サーバーをインストールする際の推奨メディアとなりました。

QEMU

QEMU はリリース 4.0 に更新されました。

Ubuntu 19.04 以降の主な変更点については、4.0の変更点一覧を参照してください。

以前のバージョンからの移行も通常通りサポートしています。アップグレードする際は、ゲストが最新バージョンの改善点や修正点のすべてを享受できるように、マシンタイプを更新することが常に推奨されています。

QEMU の仮想マシン内部で仮想 3D GPU を作成できるvirglrendererがついに有効化されました。これは GPU パススルーには劣るものの、従来のPCI パススルーやより最新のMediated デバイスをサポートしていないプラットフォームにおいて便利です。

libvirt

libvirt は 5.6 に更新されました。Ubuntu 19.04 の 5.0 からの変更点はアップストリームの変更履歴を参照してください。

数多くの変更の中でも、言及すべき価値のある変更点は、QEMU がマイグレーション時に並列接続できるようになったことでしょう。これによりネットワークが飽和状態でなければ、マイグレーションの速度が向上します。

dpdk

Ubuntu は DPDK の 18.11.x の最新安定版である 18.11.2 を採用しています。本当に最新である(安定版でない)バージョンの 19.08 は、DPDK のダウンストリームプロジェクト(Open vSwitch など)がまだ完全には対応していないため、見送りとなりました。

詳細は18.11.118.11.2のリリースノートを参照してください。

Open vSwitch

Open vSwitch は 2.12 になりました。

詳細はリリースノートを参照してください。

MySQL 8.0

MySQL は 8.0 に更新されました。新機能や廃止予定、削除された機能など MySQL 8 の変更点については、アップストリームのドキュメントである「What Is New in MySQL 8.0」を参照してください。HA やスケーラビリティの機能を追加するMySQL Routerは、msyql-router パッケージとして universe コンポーネントに導入されました。次の Ubuntu リリースにて、main コンポーネントへと移行する見込みです。

PHP 7.3

PHP 7.3 では言語に対していくつかの改良が加えられています:フレキシブルな heredoc 構文と newdoc 構文、JSON_THROW_ON_ERROR、list()のリファレンス渡し、いくつかの新しい関数。大文字小文字を区別しない定数やさまざまな関数が非推奨か削除されていますので、7.3 へと移行する開発者は7.2 から 7.3 へのマイグレーションガイドを参照すると良いでしょう。

Raspberry Pi 🍓

Ubuntu 19.10 の Raspberry Pi 32 ビットと 64 ビットプレインストールイメージ(raspi3)は、Raspberry Pi 4 プラットフォームもサポートするようになりました。これにより Ubuntu イメージは、Raspberry Pi ファミリーのほとんどすべてのモダンなフレーバー(Pi 2、Pi 3B、Pi 3B+、CM3、CM3+、Pi 4)をサポートするようになります。

OpenStack Train

Ubuntu 19.10 では最新の OpenStack リリースである「Train」が同梱されています。次のコンポーネントが含まれています:

警告: OpenStack デプロイのアップグレードは重要なプロセスであり、 OpenStack 毎に固有のアップグレード手順の計画やテストを気にするべきでしょう。

Juju を利用した Ubunu OpenStack のデプロイ方法についてのさらなる情報は OpenStack Charm のリリースノートを必ず読んでください。

cloud-init

バージョンは 18.5 から19.2に更新されました。注目すべき新しい機能は次のとおりです:

注意:cloud-init はeoan-updates リポジトリポケット経由で、Stable Release Update プロセス(SRU)を利用したパッケージのアップデートが頻繁におこなわれます。Unattended Upgrades設定をおこなっているマシンは、自動的にこれらのアップデートが適用されます。

curtin

バージョンは19.2に更新されました。着目すべき新機能は次のとおりです:

s390x

IBM Z と LinuxONE / s390特有の(19.04 からの)改善点は次のとおりです(一部s390x 以外にも関係します):

クラウドイメージ☁

KVM に最適化されたゲストイメージ

新規に amd64 向け qcows2 イメージが追加されました。Eoan 向けデイリービルドの eoan-server-cloudimg-amd64-disk-kvm.img にはlinux-kvmカーネルが採用されています。

このイメージは KVM ハイパーバイザーに特化した体験を提供することが目的です。このイメージは initramfs を持っておらず、仮想環境に合わせたいくつかの性能改善策が適用されています。この新しい KVM ハイパーバイザーイメージを利用した時、既存のイメージに比較して起動時間が短くなっていることが期待されます。

既知の問題

予想される通り、あらゆるリリースと同じように、今回の Ubuntu 19.10 のリリースにもユーザーが陥りそうな重大な既知の不具合がいくつか存在します。現時点で判明している不具合(およびいくつかの回避策)をここに記録しておきます。これらの不具合については、再度報告する必要はありません。

デスクトップ

NVIDIA のプロプライエタリドライバーにおける Wayland の有効化

多くの不具合があるため、推奨していません。しかしながらもし試してみたい場合、19.10 ではいくつか追加の手順が必要になります:

  1. カーネルパラメーターに nvidia-drm.modeset=1 を追加します。

  2. /usr/lib/udev/rules.d/61-gdm.rules の nvidia の行をコメントアウトします。

  3. 手順2 を実施した結果、古いバグが再現するかもしれません。この場合 BIOS で内蔵GPU を無効化する必要があるでしょう。

Xorg セッションにおける分数スケーリング

Xorg で分数スケーリングを有効化すると、パフォーマンスの低下や画面の崩れが発生するかもしれません。これにはふたつの回避策があります:

ライブセッションの開始に時間がかかる

古いハードウェアと遅いインストールデバイス(たとえば古い USB ドライブ)などの組み合わせによっては、標準の snap の準備に時間がかかり、ライブセッションが開始するまでに数分かかることがあります。

確認ダイアログで ZFS ではなく ext4 が表示される

ZFS上にシステムをインストールする選択肢を選んだのち、「ディスクに変更を書き込みますか?」のメッセージとともに、ext4 パーティションが作られるように表示されます。動作としては正しいのですが、利用者に混乱を引き起こす表示です。 (1847719)

ログイン画面からシャットダウンや再起動がおこなえない

ログイン画面において、再起動やシャットダウンの選択が動作しません。これは 1847896 にて対応中です。

ふたつ以上のドライブが存在するとブートローダーが正しくインストールされない

ふたつ以上のドライブが存在するシステムでインストールする際、最初のドライブ以外を選択するとドライブの選択とブートローダーのインストール先が同期しない可能性があります。 LP #1847898

ブートローダーのデバイスを正しく選択するためには、次の手順を実施してください:

これによりブートローダーとルートファイルシステムの双方が、期待通りのデバイスにインストールされます。

Raspberry Pi

Raspberry Pi 3 A+の問題

ファームウェアの問題により、Ubuntu 19.10 の Raspberry Pi 向けイメージは Raspberry Pi 3 A+のデバイスでは起動しません。この問題はLP: #1848247で対応中です。


公式フレーバー

公式フレーバーの各リリースノートは、以下のリンクより参照できます:


より詳しい情報

バグレポート

あなたのコメントやバグレポート、レポートへのコメント・パッチの投稿・提案は、バグの修正や将来のリリース品質の改善につながります。ツールを用いてバグを報告してください

バグの修正を通じて貢献したいのであれば、Bug Squad ページが役に立つでしょう。

Ubuntu に参加するには

Ubuntu を支援したいのであれば、以下の支援できる方法の一覧に目を通してみてください。

Ubuntu に関して

Ubuntu に関するより詳しい情報は、Ubuntu サイトUbuntu wiki を確認してください。

Ubuntu の開発に関するアナウンスを受け取るには、Ubuntu開発アナウンスメーリングリストを購読してください。

EoanErmine/ReleaseNotes/Ja (last edited 2019-10-23 03:35:59 by jkbys)