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イントロダクション

このリリースノートには、 Ubuntu 18.04 LTS (Bionic Beaver) のリリース概要とUbuntu 18.04とそのフレーバーに関する既知の不具合を記述しています。

サポート期間

Ubuntu 18.04 LTS の 'main' アーカイブは 2023年4月 までの5年間サポートされます。Ubuntu 18.04 LTS は Ubuntu Desktop、Ubuntu Server、Ubuntu Coreに関しては5年間サポートされます。Ubuntu Studio 18.04 は9か月間サポートされます。そのほかすべてのフレーバーは3年間サポートされます。

公式フレーバーのリリースノート

公式フレーバーのリリースノートはこちらで確認できます


Ubunt 18.04 LTS を入手する

Ubuntu 18.04 LTS をダウンロードする

インストールイメージは、以下からダウンロードできます。お近くのミラーからも入手できるでしょう。

インストールイメージのダウンロードサイト:

http://releases.ubuntu.com/18.04/ (Ubuntu Desktop and Server)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntu/releases/18.04/release/ (Less Popular Ubuntu Images)
http://cloud-images.ubuntu.com/daily/server/bionic/current/ (Ubuntu Cloud Images)
http://cdimage.ubuntu.com/netboot/18.04/ (Ubuntu Netboot)
http://cdimage.ubuntu.com/kubuntu/releases/18.04/release/ (Kubuntu)
http://cdimage.ubuntu.com/lubuntu/releases/18.04/release/ (Lubuntu and Lubuntu Alternate)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntu-budgie/releases/18.04/release/ (Ubuntu Budgie)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntukylin/releases/18.04/release/ (Ubuntu Kylin)
https://ubuntu-mate.org/download/ (Ubuntu MATE)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntustudio/releases/18.04/release/ (Ubuntu Studio)
http://cdimage.ubuntu.com/xubuntu/releases/18.04/release/ (Xubuntu)

Ubuntu 16.04 LTS からのアップグレード

16.04LTSからのアップグレードは7月後半に予定されている 18.04.1 のリリースから数日経過しないと有効になりません。

Ubuntu 17.10 からのアップグレード

デスクトップ環境でのアップグレード手順は次のとおりです:

  • Alt + F2を押してコマンドボックスに  update-manager -c  と入力します。

  • 「ソフトウェアの更新」が開いて、次のように表示されるはずです: 「18.04 LTS が入手可能です」
    • 表示されない場合、 /usr/lib/ubuntu-release-upgrader/check-new-release-gtk  を使用することもできます。

  • 「アップグレード」を押し、画面に表示される指示に従います。

サーバー環境でアップグレードするには、次の手順を用います:

  •  update-manager-core  をインストールしていない場合はインストールします。

  •  sudo do-release-upgrade  のコマンドでアップグレードツールを起動します。

  • 画面に表示される指示に従います。

注意: サーバーのアップグレードではGNU screenを使用しており、通信が切断されてしまった場合などでも自動的に再アタッチします。

Ubuntu Deskotp および Ubuntu Server のオフラインでのアップグレードオプションはありません。公式ミラーや各地の接続可能なミラーのいずれかにネットワーク接続できることを確認して、上記の指示に従ってください。


18.04 の新機能

アップデートされたパッケージ

Linux kernel 4.15

Ubuntu 18.04 は v4.15 ベースの Linux カーネルを同梱しています。これは IBM や Intel そのほかのハードウェアおよび周辺機器を有効にします。18.04 カーネルはアップストリームから継承する新機能を提供します。それには次が含まれます。

  • cgroup v2 インターフェイスの CPU コントローラー
  • AMD セキュアメモリ暗号化サポート
  • ソフトウェア RAID 強化搭載の最新の MD ドライバー
  • SATA Link Power Management 搭載のシステムに対する改善された電源管理

また、 Ubuntu 固有のものとして特筆すべきものは以下の通りとなります。

  • Linux security module stacking サポート
  • POWERホストとNV kernelsの署名サポート
  • Linux 4.16 からバックポートされた IBM および Intel ハードウェアの改善されたサポート

OpenJDK

18.04 リリース時点で、OpenJDK 10 がデフォルトの JRE/JDK です。2018年9月に OpenJDK 11 が GA に到達すると、それが 18.04 のデフォルトになります。

Open JDK 8 は universe に移動し、18.04 のサポート期間内はそこで利用できる状態になります。これはOpenJDK 10ないしは11でビルドできないパッケージやカスタムアプリケーションないしはスクリプトを移行するための時間を提供するためのものです。OpenJDK 8は Ubuntu 16.04 LTS が EOL に到達する2021年4月までは18.04でアップデートされる予定です。

セキュリティの向上

Ubuntu 18.04 LTSではgccは、アドレス空間配置のランダム化(ASLR)をより効果的にするために、immediate bindingだけでなく位置独立コード(PIE)としてアプリケーションをコンパイルします。mainにあるすべてのパッケージは一部の例外を除きこれを活用して再ビルドされました。

SpectreやMeltdownから守るための対策が講じられています。 修正や オプションの設定の詳細についてはSpectre and Meltdown KnowledgeBaseの記事を確認してください。

Thunderboltデバイスのセキュリティ制御を提供するため、 boltthunderbolt-tools はmainパッケージになりました。

CIFS マウントのデフォルトの CIFS/SMB プロトコルバージョンの変更

17.10より、mount.cifs (cifs-utils パッケージのコマンド) でリモートの CIFS ファイルシステムをマウントする際に使用されるデフォルトのSMBプロトコルは 2.1 以上に変更されました。どのプロトコルが使用されるかはサーバーとのネゴシエーションの結果によります。もし、そのようなリモートのシェアをマウントする際にバージョンが指定されていない場合、次のようなログが記録されます。

No dialect specified on mount. Default has changed to a more secure dialect, SMB2.1 or later (e.g. SMB3),
from CIFS (SMB1). To use the less secure SMB1 dialect to access old servers which do not support SMB3
(or SMB2.1) specify vers=1.0 on mount.

#1764778 や #1572132のような互換性の問題が発生するかどうかは、共有にマウントする際にvers=1.0指定し、これで問題が解決していればバグとして報告してください。

ネットワーク設定

17.10からの変更点

NetworkManager で libteam によるチーミングがサポートされています。

16.04 LTS からの変更点

デフォルトの DNS リゾルバーは systemd-resolved です。

ifupdown は推奨されなくなり、netplan.io が代わりに推奨されます。また、ifupdown は新規のインストールにはもはや存在しません。インストーラーは netplan.io の設定ファイルを /etc/netplan ディレクトリに生成します。この netplan.io 設定が今度は systemd-networkd または NetworkManager のどちらかを通じてバックエンドに応じた設定ファイルを生成します。Desktopのユーザーにはこれまでのリリース通り NetworkManager 経由でシステムが完全に管理されている状態が見えることになります。Serverのユーザーには systemd-networkd 経由でネットワークデバイスが管理されている状態が見えます。これは新規インストールにのみ適用されます。

ifupdown がもはやデフォルトではインストールされないため、ifup および ifdown といったコマンドも利用できません。類似の機能を実現するために、ipコマンドを利用してください。特に ip link set $device up および ip link set $device down です。

networkctl コマンドはユーザーがネットワークデバイスの概要を確認するのに利用できます。networkctl status により、システム上のIPアドレスの現在のグローバルな状態が表示できます。networkctl status $device では特定のネットワークデバイスの詳細を表示できます。

ifupdown パッケージは netplan が現在のネットワーキングのニーズを満たさないと考えているユーザーのために Ubuntu の main で利用可能であり、サポートされています。

netplan.io に関する詳細は man 5 netplan を使ってマニュアルページを参照するか、 https://netplan.io/ をご覧ください。

/etc/network/ifup.d および /etc/network/ifdown.d にあるスクリプトはこの新しい設定では動作しません。systemd-networkd バックエンドの場合は、networkd-dispatcher がインストールされていれば、/usr/lib/networkd-dispatcher のサブディレクトリ(dormant.d, no-carrier.d, off.d, routable.d)に類似のスクリプトを追加することができます。後ほど、/etc/networkd-dispatcher にカスタムのスクリプトを置くことも可能で、潜在的にも /usr/lib にあるスクリプトを置き換えることができます。

16.04 LTS 以降のそのほかのベースシステムの変更

  • gpg バイナリーは gnupg2 により提供されています。

  • 新しいインストールでは スワップファイルがスワップパーティションの代わりに利用されます。

  • Python 2 はもはやデフォルトではインストールされません。Python 3は3.6にアップデートされています。このリリースが Python 2が main に含まれる最後の LTS リリースとなります。

  • インストーラーはもはや encryptfs-utils を利用したホームパーティションの暗号化を提供しません。このリリースではディスク全体の暗号化が代わりに推奨されます (1756840)。

  • OpenSSH は1024ビットより小さな RSA キーの使用を拒絶します。ssh-keygen -l -f /path/to/key.pub はキーの長さを報告することができます。

Ubuntu Desktop

17.10からの変更点

  • X がデフォルトのディスプレイサーバーです。 Wayland はテクニカルプレビューとして提供され、20.04 LTS でデフォルトになることが期待されています。Wayland を試すには、画面上の歯車から Ubuntu on Wayland を選択するだけです。

  • インストーラーは 最小インストール オプションを提供します。これはウェブブラウザーとそのほかのコアシステムのユーティリティーの基本的なデスクトップ環境のためのオプションです。多くのオフィシャルの18.04のデスクトップフレーバーはこの新しい機能を同じく使います!

  • GNOME により提供されるアプリケーションは 3.28 にアップデートされました。GNOME 3.28についてのより詳細な情報は、そのリリースノートをご覧ください。

  • LibreOfice6.0にアップデートされました。

  • 多くのアプリケーションで絵文字がカラーで表示されるようになりました。絵文字入力のためのキーボードショートカットは Ctrl+. または Ctrl+; です。

  • カレンダー は天気予報もサポートするようになりました。

  • 新しいインストールでいくつかのユーティリティーが snap フォーマットに移行しました(Calculator, Characters, Logs, and System Monitor)。Snap アプリケーションはより良い隔離を提供し、それにより、LTSライフサイクルの間、新しい安定版リリースにアプリケーションをアップグレードすることができます。

  • To Do アプリケーションがデフォルトの通常インストールに加えられました。

  • spice-vdagent は GNOME Boxes アプリといった Spice クライアントのパフォーマンス改善のために事前インストールされています。

  • 物理ボタンのないタッチパッドで右クリックする方法が 2本指クリック に変更されました。以前はタッチパッドの右側をクリックでした。GNOME Tweakアプリ(デフォルトではインストールされていません)を利用することでこの設定を変更することができます。

  • libinput がマウス及びタッチパッドのデフォルトのドライバーになりましたが、synaptics ドライバーも設定アプリを使うことで今も利用可能です。synaptics ドライバーのサポートは将来の Ubuntu のリリースではドロップされます。

  • コンピューターはバッテリー駆動の場合に、20分間アクティビティがないと 自動的にサスペンド します。

  • GNOME Shell は Thunderbolt 3 をサポートするようになりました。

16.04 LTS からのその他の変更点

  • 32ビットの インストーラーイメージは Ubuntu Desktop 向けにはもはや提供されなくなりました。

  • Ubuntu Desktop は Unity に代わり GNOME を使っています。

  • LightDM に代わって GDM がデフォルトのディスプレイマネージャーになりました。ログインスクリーンは仮想端末7に代わり、仮想端末1を使います。

  • ウィンドウコントロールのボタン群が に戻りました。

  • ドライバーレスプリンティングサポート が利用可能になりました。

  • GNOME のビルトインのスクリーンキーボードが Onboard に代わって利用されるようになりました。

  • カレンダーで1週間のビューが使えるようになり、繰り返しのイベントがサポートされました。

  • 次のアプリケーションが大幅なユーザーインターフェースの再デザインを受け入れました: ディスク使用率、ファイル(Nautilus)、Remmina、設定、そして、Ubuntu ソフトウェアです。
  • システムログは ログ に置き換わりました。このアプリは systemd のジャーナルのログを表示させることができます。

  • 多くの GNOME アプリケーションはキーボードショートカットのポップアップがアプリメニューで利用可能になりました。

  • gconf はもはやデフォルトではインストールされません。gconfは長い間、gsettings に置き換わられているためです。Aisleriot カードゲームの統計とパフォーマンスは16.04 LTS または16.10からアップグレードされるときにリセットされます。gconfは将来の Ubuntu のリリースでは Ubuntu のパッケージアーカイブから削除されます。

  • Ubuntu GNOME フレーバーは継続されなくなりました。Ubuntu GNOME をお使いの場合は、Ubuntu にアップグレードされます。Ubuntu のデフォルトのエクスペリエンスが気に入った場合は、ログインスクリーンから歯車のアイコンから Ubuntu セッションを選択してください。

  • もし、より上流のバージョンのGNOMEが使いたいと思った場合は、 gnome-session をインストールしてコンピューターを再起動し、ログインスクリーンの歯車から GNOME (または、GNOME on Wayland) を選択してください。より多くのコアアプリのインストールもしたい場合は、 vanila-gnome-desktop メタパッケージをインストールしてください。

Ubuntu Server

17.10 からの変更点

サーバーインストーラー

次世代の Subiquity サーバーインストーラーがついに、Ubuntu Desktop の快適なライブセッションとスピーディーなインストールを Server のユーザーにも提供するようになりました。

注意: LVM や RAID、multipath、vlan、ボンディング、あるいは既存のパーティションの再利用する能力が必要な場合には、 alternate インストーラーを使い続けたくなるでしょう。これはhttp://cdimage.ubuntu.com/releases/18.04/release/ よりダウンロードできます。

netplan.io

ifupdown は非推奨となり、新規インストールにはもはや存在しません。代わりに netplan.io が推奨されています。Ubuntu Server のバックエンド設定はデフォルトでは systemd-networkd により提供されています。

リリースノートのネットワーク設定のセクションも確認してください。

LXD 3.0

LXD はすべての Ubuntu Server に梱包されているシステムコンテナのマネージャーです。

Ubuntu 18.04 には LXD 3.0 リリースのすべてが含まれています。取り立てて紹介すべきものには次が含まれます:

  • LXD サーバーのクラスタリング(1つの大きな仮想的な LXD)
  • NVIDIA ランタイムパススルーのサポート
  • カスタムストレージボリュームのリモート転送
  • /dev/lxd APIのコンテナ内での拡張
  • ポートダイレクションのサポート
  • コマンドラインツールに対する数々の改善

LXD 3.0について知りたい場合は、 リリースアナウンス を読んでください。

QEMU 2.11.1

QEMU は2.11.1リリースにアップデートされました。

Artful からの大きな変更点については Changelog を確認してください。

その他多くの変更の中に、 Meltdown/Spectre に関する修正が含まれています。これらの移行を完全に利用するには単なるアップグレード以上のことをする必要があるため、qemu.org のブログポスト で詳細を確認することを推奨します。

昨年、rdma-coreプロジェクトで統一されたことにより、Ubuntu 18.04でのQEMUはrdmaサポートが有効になりました。

以前のバージョンからの移行は通常通りサポートされています。アップグレードの際に常に推奨できるのはマシンタイプをアップグレードすることで、これにより、ゲストは最新バージョンでの改善と修正のすべての恩恵を完全に受けることができます。

libvirt 4.0

libvirt はバージョン4.0にアップデートされました。Artful ではバージョン3.6が採用されていたため、詳細はアップストリームの Changelogs をご覧ください。

パッケージングにおいて、libvirt のストレージドライバーは脱着可能なライブラリとしてビルドされるようになりました。これによりインストール要件はスリムダウンしましたが、あまり一般的に関心がもたれないいくつかのドライバーは universe で見つけられる状態になりました(例えば、glusterや、sheepdog、zfs があります)。一方、rbdやzfsのような以前は統合されていた機能については、アップグレード後にパッケージをインストールする必要があるかもしれません。この場合ではlibvirt-daemon-driver-storage-zfsなどになります。

DPDK 17.11.x

Ubuntu には DPDK の最新の安定版リリースである17.11.xが含まれています。

詳細はリリースノートをご覧ください。

新しい DPDK に対する SRU により、17.11.xに対する将来の安定版のアップデートは Ubuntu 18.04でも利用可能になります。

Open vSwitch 2.9

Open vSwitch は2.9にアップデートされました。

詳細はリリースノートをご覧ください。

Chrony

Ubuntu 18.04では ntpd に代わって chrony が NTP プロトコルのサーバーとして推奨されています。最近の変更の概要は アップストリームの changelog ご覧ください。また、FAQ も NTP からのスムーズな移行のための助けとなりますので、併せてご覧ください。

chrony のメンテナーによる NTP サーバー同士の比較はこのような変更がおこなわれた、高度なレベルでの理由を知りたいユーザーにとって興味深いものとなるかもしれません。この比較は、新しいというわけではなく、まだ完全に準備のできていない ntpsec を欠いているものの、それ以外の部分ではフェアな分析です。

シンプルな時刻同期の必要性を満たすため、ベースシステムには systemd-timesyncd がすでに来ています。Chronyは、より正確で効果的なアドバタイズされる動機が必要な場合に、時刻サーバーとしてふるまうために必要なだけとなります。

cloud-init

バージョンが18.2にアップデートされました。特筆すべき新機能には以下のようなものがあります:

  • VMware: 64ビットのプラットフォームと提供される OVF データソースの特定がサポートされました。
  • GCE: デフォルトユーザーの SSH 鍵のふるまいが改善・変更されました。
  • Azure のプレ・プロビジョニングのスピードが改善しました。
  • NoCloudKVM および EC2 テストが継続的インテグレーションで動作するようになりました。
  • 新しいクラウドサポート: IBMCloud および HetznerCloud は公式のデータソースを持つようになり、 OpenTelekom は cloud-id により認識されるようになりました。

  • OpenNebula: ネットワーク設定のサポートが改善しました。

  • 新しい cloud-init のコマンドラインツールが利用可能になりました: status、analyze そして clean です。
  • snap と ubuntu-advantage サービスのための新しい Ubuntu の cloud-config モジュール導入されました。

curtin

バージョンが18.1に更新されました。以下の素晴らしい機能が含まれます:

  • ZFSをルートファイルシステムにすることを含めて、実験的にzpoolとzfsファイルシステムをサポートしました。
  • ファイルシステムイメージであるリモートソースへのインストールをサポートしました。 (1746348)

  • pollinate ユーザーエージェントの設定をサポートしました。
  • 再デプロイをサポートするために、ダーティなデバイスの分解を改善しました。(1750519) (1743643) (1713537) (1722322) (1708052) (1718699)

  • デフォルトの設定では、新しい curtin collect-logsコマンドを使い、エラー発生時に自動的にcurtinログを記録するようになりました。

  • ストレージ: ファイルシステムのマウントオプションを受け入れるようになりました。(1709284)

  • 広範囲に及ぶインテグレーションテストカバレッジと改善を行いました。

MAAS

バージョンは 2.4b2 にアップデートされました。特筆すべき新機能には以下のようなものがあります:

  • 監査ログ記録の追加
  • タグの作成、ストレージプールの選択、複数のストレージプールからのマシンの組み立てをサポートする KVM pod サポートの追加
  • DNS 管理のための UI の追加
  • HBA 管理のためのコミッショニングテンプレートフレームワークの追加
  • ファームウェアアップグレードのためのコミッショニングテンプレートフレームワークの追加
  • Performance by Performance UIの改善
  • MAAS のバックエンドパフォーマンスの改善
  • Settings の UI の改善
  • zfs をルートファイルシステムとして設定する実験的なサポートの追加
  • ntp に代わり、 Chrony を使用するように変更

詳細は MAAS website をご覧いただくか、 2.4リリースノート を精査してください。

SSSD

SSSDはバージョン1.16.xに更新され、シークレットサービスが有効になりました。以前は必須であったhttp-parserライブラリがuniverseであったため無効となっていましたが、MIR(訳注:Mainへの取り込みリクエスト)が成功したことにより、SSSDがこれらにリンクできるようになりました。

デフォルトのautofsに関連する構成の設定はSSSD 1.14.0 で変更しました( https://pagure.io/SSSD/sssd/issue/2858 )。XenialのSSSD 1.13からアップグレードを行う場合、sssd.conf におけるすべての ldap_autofs_* の設定を明示的に指定して、LDAPのデータと一致させる必要があります。

ldap_schema の設定に基づいたデフォルトの内容:

sssd.confの設定

xenialでのデフォルト

bionicでのデフォルト

ldap_autofs_map_object_class

automountMap

nisMap (rfc2307, autofs_provider=ad), otherwise automountMap

ldap_autofs_map_name

ou (rfc2307), automountMapName (rfc2307bis, ipa, ad)

nisMapName (rfc2307, autofs_provider=ad), otherwise automountMapName

ldap_autofs_entry_object_class

automount

nisObject (rfc2307, autofs_provider=ad), otherwise automount

ldap_autofs_entry_key

cn (rfc2307), automountKey (rfc2307bis, ipa, ad)

cn (rfc2307, autofs_provider=ad), otherwise automountKey

ldap_autofs_entry_value

automountInformation

nisMapEntry (rfc2307, autofs_provider=ad), otherwise automountInformation

詳細は bug #1767886 を確認してください。

Nginx

nginxはバージョン1.14.0に更新されました。 ミラーモジュールHTTP/2 プッシュ、そしてgRPCプロキシモジュールなどの新しい機能を含んでいます。

PHP

PHP はバージョン7.2.xにアップデートされました。PHP 7.1(Artfulのバージョン)から7.2への移行に関するアップストリームのガイダンスは http://php.net/manual/en/migration72.php です。7.0から7.1への移行ドキュメントも関連があるかもしれません: http://php.net/manual/en/migration71.php

Apache

Apache はバージョン2.4.29にアップデートされました。加えて HTTP/2 のサポートも、18.04で有効になりました。

landscape-client

landscape-client は Python 3にポートされ、デフォルトイメージでインストールできるようになりました。

ubuntu-advantage-tools

  • Canonical Livepatch用の、新しい動的なMOTDサポート。コンソールにログインしたとき、Livepatchの状態がひと目でわかるように通知されます。
  • 新しいenable-fips-updatesコマンドは、FIPSが有効なシステム向けに、未公認の更新がある特別なFIPSレポジトリを有効にします。

s390x特定の機能拡張 (17.10以降)

  • IBM z14,z14 ZR1,LinuxONE Rockhopper IIやLinuxONE Emporer IIの改良 (1725260) (1736100)

  • s390-toolsのメジャーバージョンをv2.2.0に更新 (1735447)

  • cryptsetupのリベースとdm-cryptのサポートを強化 (1724592)

  • dm-cryptのための保護されたキーをサポート (1741904)

  • TLBの機能拡張 (1732426) (1732452)

  • TOD-Clockのエポック拡張サポート (1732437) (1732691)

  • 直接アクセス記憶装置(DASD)のマルチキュー(1732446)サポートとblock layer discardサポート (1732440)

  • メモリーハンドリングの改良 (1734120)

  • 新しいCEX6S暗号アダプター向けのサポート (1735437)

  • KVM向けのAP bus kernel API (1732449)

  • CPU-MFのパフォーマンス改良 (1735433)

  • AES GCMのCPACF拡張とアクセラレーション (1735438) (1743750)

  • HiperSocketのコネクション拡張 (1735695)

  • fdasd/vtoc向けのpartedを更新 (1737144)

  • openssl-ibmcaのリベース (1747626)

  • EP11とECC拡張向けのopencryptokiのリベース (1751272)

  • ロック最適化の拡張 (1747877)

  • z14とECCサポート向け、そしてSHA512-DRBGのシードにPRNO-TRNGを利用するためのlibicaのアップグレード (1754617)

  • QETHドライバのレイヤー2設定を自動検出 (1747639)

  • STHYI/LPAR向けのカーネルサポート (1736093)

  • z13/z13s CPU-MF hardware counters向けのlibpfm4のリベース (1741905)

OpenStack Queens

Ubuntu 18.04には、次のコンポーネントを含む最新のOpenStackリリースであるQueensが含まれています:

  • OpenStack Identity - Keystone

  • OpenStack Imaging - Glance

  • OpenStack Block Storage - Cinder

  • OpenStack Compute - Nova

  • OpenStack Networking - Neutron

  • OpenStack Telemetry - Ceilometer, Aodh, Gnocchi, and Panko

  • OpenStack Orchestration - Heat

  • OpenStack Dashboard - Horizon

  • OpenStack Object Storage - Swift

  • OpenStack Database as a Service - Trove

  • OpenStack DNS - Designate

  • OpenStack Bare-metal - Ironic

  • OpenStack Filesystem - Manila

  • OpenStack Key Manager - Barbican

このリリースにおけるOpenStackのすべての詳細は、OpenStack Queensリリースノートを参照してください。

Ubuntu 16.04 LTSユーザ向けにOpenStack Queensは、Ubuntu Cloud Archive経由でも提供されます。

警告:OpenStackデプロイのアップグレードは重要なプロセスであり、OpenStack毎に固有のアップグレード手順の計画やテストを気にするべきでしょう。

Jujuを利用したUbunu OpenStackのデプロイ方法についてのさらなる情報はOpenStack Charm リリースノートを必ず読んでください。

日本語翻訳版独自の記述

日本語入力(インプットメソッド)について

Ubuntu 16.04 LTSからアップグレードした場合、ibus-mozcパッケージがインストールされていないことがあります。もし「設定」-「地域と言語」の「入力ソース」に「日本語 (Mozc)」がない場合は、端末を起動して次のコマンドを実行してください。

$ sudo apt install ibus-mozc

$ ibus restart

「設定」-「地域と言語」の左下にある「+」ボタンをクリックし、さらに「日本語」をクリックすると「日本語 (Mozc)」が追加されているので、これをクリックし、「追加」をクリックしてください。

あとは右上のキーボードインジケーター(日本語キーボードが接続されている場合は「ja▼」が表示されているところ)をクリックし、「日本語 (Mozc)」を選択してください。

なお「入力ソース」には「日本語 (Mozc)」の他に最低限もう一つのエントリーが必要です。例えば日本語キーボードを接続している場合は「日本語」です。接続していないキーボード(例えば「英語 (US)」)のエントリーがある場合は、これを削除してください。

既知の問題

予想される通り、あらゆるリリースと同じように、今回のUbuntu 18.04のリリースにもユーザーが陥りそうな重大な既知の不具合がいくつか存在します。現時点で判明している不具合(およびいくつかの回避策)をここに記録しておきます。これらの不具合については、再度報告する必要はありません。

Desktop

  • バッテリー駆動の場合、ユーザーがリモートでログインしている場合であっても、20分間操作がない場合にコンピューターがサスペンドします。(GNOME:gnome-control-center#22)

  • Bluetooth オーディオデバイスが Greeter で利用できません。これによりログインスクリーンでスクリーンリーダのようなアクセシビリティ機能を利用している方に問題が発生します。いったんログインすると、すべてが期待されたとおりに動作します。
  • Wayland 上の GNOME でいくつかの管理ツールが動作しません。これはこれらのアプリケーションが、必要とされる特別な機能のために管理者権限を使うようにだけ PolicyKit を利用するようにできていないためです。また、一部のスクリーンショットやスクリーンキャストのアプリケーションおよび、すべてのリモートデスクトップサーバーアプリケーションは Wayland 上の GNOME では現時点では動作しません。ワークアラウンドとして、デフォルトの Ubuntu セッションを使うことができます。

  • ライブセッションからの離脱は "A start job is running for" エラーにより停止するかもしれません。これに遭遇した場合、コンピューターの強制的な電源オフが必要となるかもしれません。(1706939)

  • Dock および Appindicator システムエクステンションは GNOME Tweaks のようなツールでは オフであるかのように見えます。(これらはオンですが無効になっています。というのも、Ubuntu セッションのためのシステムエクステンションとなっているためです。) (1718850)

  • Tracker はデフォルトではインストールされません。インストールされると、tracker サービスを起動するためログオフとログインをする必要があります。(1697769)

  • GTX970 チップセットといった NVidia グラフィックスハードウェア上で、外部スクリーンを DisplayPort で接続しているとブートに失敗するかもしれません。(1723619)

  • ラップトップに外部モニターが接続されている場合、ログインスクリーンが組み込みのディスプレイにのみ表示され、いくつかの場合には表示されなくなります。(1723025)

  • ユーザーが UEFI インストールを強制する場合に表示される警告のダイアログがイベントの入力に反応せず、このステージでインストールがブロックされてしまいます。(1724482) ユーザー自身でいくつかのトラブルを回避し、 UEFI パーティションなしで UEFI インストールを強制しないようにしてください。(訳者による補足: さもなくば) grub-installer はともかく失敗します。

  • 既存の LVM インストールに対し、「ディスク全体」のインストールをおこなうと失敗します。これはインストーラーが誤ったブートデバイスを選択するためです。(1724417) 代わりにカスタムのパーティション設定を使用し、コンボボックスから正しいブートデバイスを手動で選択してください。

  • 「ファイル」アプリケーションは3.26のままです

  • インストーラー(Ubiquity)経由でのアップグレードは apt-clone のバグのため安全ではないと考えられ、もはやサポートされていません。(1756862 "UIFE - remove ubiquity upgrade option")

  • ulimit の設定によりあるアプリケーション、特に webkit2gtk を使っているようなアプリケーションで segfaults が発生するかもしれません。ulimit を無効にすれば通常の機能性を回復します。詳細は次の Debian ニュースエントリーをご覧ください: https://salsa.debian.org/webkit-team/webkit/blob/wk2/unstable/debian/NEWS

  • 時々、誤ったパスワードを入力したのちログインがハングします。(1766137) 回避策はキャンセルをクリックし、自分のユーザをクリックして、やり直すことです。

  • スケーリングを適用したHiDPI画面で特に顕著にインストーラーがクラッシュします(1751252)。回避策は、ライブセッションを起動し、設定 > デバイス > ディスプレイ > スケールで100%に設定して適用をクリックし、"Install Ubuntu 18.04 LTS"をクリックしてインストールを続行します。

Server

  • パーティション設定のステップで複数のデバイスにまたがる LVM 設定が、分離した /boot パーティションを要求せずに可能となってしまいます。これにより、インストール最後のブートローダーのインストールに失敗するかもしれず、結果として生じるインストールはブートに失敗するかもしれません。 (1680101)

  • LVM 設定はインストール中に見つけた同じ名前を持つボリュームグループがある場合に削除できません。Partitioner は複数の対立または同じボリュームグループが検出された場合のインストールをサポートしていません。例えば、複数ボリュームにまたがり、Ubuntu の同じインストールを持つ LVM で Ubuntu を再インストールする場合が挙げられます。回避策としては、インストール前もしくはインストーラーで提供されているビルトインシェルからにディスクデバイスをフォーマットしてください。(1679184)

  • cio_ignoreブラックリストはインストール後に有効化されなくなりました。cio_ignore (s390x)のようなインストール時のパラメーターがすべて、インストール後のシステムに反映されるわけではないからです。回避策は/etc/zipl.confを編集し、IPLを更新するためにsudo ziplを再実行することです。(1571561)

  • 新しい subiquity サーバーインストーラーでインストールする際、GitHub または Launchpad から SSH 鍵をインポートする機能は現時点では動きません(#1766980)


公式フレーバー

公式フレーバーの各リリースノートは、以下のリンクで参照できます:


より詳しい情報

バグレポート

あなたのコメントやバグレポート、レポートへのコメント・パッチの投稿・提案は、バグの修正や将来のリリース品質の改善につながります。ツールを用いてバグを報告してください

バグの修正を通じて貢献したいのであれば、Bug Squadページが役に立つでしょう。

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BionicBeaver/ReleaseNotes/Ja (last edited 2018-06-03 12:36:37 by kazken3)