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はじめに

このリリースノートには、 Ubuntu 15.10 (Wily Werewolf)のリリース概要とUbuntu 15.10とそのフレーバーに関する既知の不具合を記述しています。

サポート期間

Ubuntu 15.10のUbuntu Desktop、Ubuntu Server、Ubuntu Core、Kubuntu、Ubuntu Kylin、その他すべてのフレーバーのサポート期間は9ヶ月です。

公式フレーバーのリリースノート

各公式フレーバーのリリースノートは、こちらで確認できます。


Ubuntu 15.10の入手

Ubuntu 15.10のダウンロード

ISOイメージは、以下からダウンロードできます。お近くのミラーからも入手できるでしょう。

ISOイメージのダウンロードサイト:

http://jp.releases.ubuntu.com/15.10/ (Ubuntu Desktop, Server, and Snappy Core)
http://releases.ubuntu.com/15.10/ (Ubuntu Desktop, Server, and Snappy Core)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntu/releases/15.10/release/ (Less Popular Ubuntu Images)
http://cloud-images.ubuntu.com/releases/15.10/release/ (Ubuntu Cloud Server)
http://cdimage.ubuntu.com/netboot/15.10/ (Ubuntu Netboot)

http://cdimage.ubuntu.com/kubuntu/releases/15.10/release/ (Kubuntu)
http://cdimage.ubuntu.com/lubuntu/releases/15.10/release/ (Lubuntu)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntustudio/releases/15.10/release/ (Ubuntu Studio)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntu-gnome/releases/15.10/release/ (Ubuntu GNOME)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntukylin/releases/15.10/release/ (Ubuntu Kylin)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntu-mate/releases/15.10/release/ (Ubuntu MATE)
http://cdimage.ubuntu.com/xubuntu/releases/15.10/release/ (Xubuntu)

Ubuntu 15.04からのアップグレード

デスクトップ環境でアップグレードするには、次の手順を用います:

  • システム設定から「ソフトウェアとアップデート」を開きます。
  • 3つめの「アップデート」と書かれたタブを選択します。
  • 「Ubuntuの新バージョンの通知」のドロップダウンメニューを「すべての新バージョン」に設定します。
  • Alt + F2を押してコマンドボックスに"update-manager"と入力します(ダブルクオーテーションは付けません)。
  • 「ソフトウェアの更新」が開いて、次のように表示されるはずです: 「Ubuntu 15.10が入手可能です」
  • 「アップグレード」を押し、画面に表示される指示に従います。

サーバー環境でアップグレードするには、次の手順を用います:

  • update-manager-coreをインストールしていない場合はインストールします。

  • /etc/update-manager/release-upgradesにnormalと設定されていることを確認します。
  • sudo do-release-upgradeのコマンドでアップグレードツールを起動します。

  • 画面に表示される指示に従います。

注意: サーバーのアップグレードではGNU screenを使用しており、通信が切断されてしまった場合などでも自動的に再アタッチします。

Ubuntu DesktopやUbuntu Server向けのオフラインでのアップグレードオプションはありません。公式ミラーや各地の接続可能なミラーのいずれかにネットワーク接続できることを確認して、上記の指示に従ってください。


15.10の新機能

更新されたパッケージ群

Ubuntuでは、新しいリリースごとにパッケージ群(アプリケーションや各種ソフトウェア)が非常に早いペースで更新されます。これらのパッケージの多くは、Debianのunstableブランチから自動的に「sync」されたものです。中には、Ubuntu 15.10用に明示的に「pull」されたものもあります。

Ubuntu 15.10に取り込まれたすべてのパッケージリストを確認するには、 wily-changes メーリングリストを購読してください。

Linux kernel 4.2

Linux 4.2では次のような胸躍る更新が行われています:

  • 最近のRadeon GPUをサポートする新しいAMDGPUカーネルドライバー
  • Intel Broxtonのサポート
  • F2FSファイルシステムにおける暗号化のサポート
  • NV-DIMMのサポート

Raspberry Pi 2向けのカーネルが公式アーカイブに取り込まれました。

Ubuntu Desktop

デスクトップについての15.10の全般的テーマは、不具合の修正とさらなる品質向上です。またこれらに加えて、initシステムとしてのsystemdへの移行を行っています。

Unity

Unityは多くの不具合修正と新機能の追加を行っています。Locally Integrated Menuは、選択状態にないウィンドウでも利用可能になりました。Dashには多くのユーザビリティの改善に繋がる変更を加えています。

Compiz

  • 数多くの修正と改善を行いました。
  • MATEデスクトップ向け実装の調整を行いました。

その他

  • Firefoxは41に、Chromiumは45にアップグレードされました。
  • MATEは1.10にアップグレードされました。
  • GNOMEプラットフォームの多くは3.16ベースになりました。
  • BlueZ 5.35と共に、Bluemanが2.0になり、さまざまフレーバーで使われています・
  • 新しいSteamコントローラーのサポート - ソフトウェアセンターからSteamをインストールし、Big Pictureモードでコントローラーをペアリングするだけです。

LibreOffice

LibreOffice 5.0.2はパッケージ全体に対して数多くの改善が行われています。これらの改善点の詳しいことは、こちらにある LibreOffice のリリースノートを参照してください。

Ubuntu Server

OpenStack Liberty

Ubuntu 15.10では、以下のコンポーネントを含む最新の OpenStack リリースであるLibertyが提供されます。:

  • OpenStack Identity - Keystone

  • OpenStack Imaging - Glance

  • OpenStack Block Storage - Cinder

  • OpenStack Networking - Neutron

  • OpenStack Telemetry - Ceilometer and Aodh

  • OpenStack Orchestration - Heat

  • OpenStack Dashboard - Horizon

  • OpenStack Object Storage - Swift

  • OpenStack Database as a Service - Trove

  • OpenStack DNS - Designate

  • OpenStack Bare-metal - Ironic

  • OpenStack Filesystem - Manila

  • OpenStack Key Manager - Barbican

Ubuntu 15.10はErasure Coded Storage(消失訂正ストレージ)の実験的サポートを含むSwift 2.5.0を提供しています。

OpenStack のリリースに関する詳しいことは、OpenStack Libertyのリリースノートを参照してください。

Ubuntu 14.04 LTS向けの OpenStack LibertyはUbuntu Cloud Archiveにて提供しています。

Ubuntu 15.10はLXD用Novaドライバー('nova-compute-lxd')が取り込まれた二度目のリリースとなります。このドライバーはプロダクション向けの利用の準備ができているとは言えず、最初のGAリリースとなるであろう16.04に向けた準備のための実験・早期試験向けに提供しています。

警告: デプロイ済みの OpenStack 環境をアップグレードすることは簡単なプロセスではありません。個々のデプロイ済み OpenStack 環境のアップグレード方法にあわせて注意深く計画をたて、テストすることを考えた方がよいでしょう。

Ubuntu OpenStack を Jujuで展開する方法については OpenStack Charm Release Notes を参照してください。

Juju

UbuntuのサービスオーケストレーションツールのJujuは最新の安定リリースである1.24.6に更新されました。このリリースでの新機能や改善点すべてについての詳細はアップストリームの リリースノート をご覧ください。

libvirt 1.2.16

libvirtは1.2.16に更新されました。

qemu 2.3

Qemuは2.3に更新されました。

詳しいことは http://wiki.qemu.org/ChangeLog/2.3 を参照してください。

Open vSwitch 2.4.0

Ubuntu 15.10ではOpen vSwitchの最新リリースである2.4.0を取り込んでいます。

Ubuntu 15.10ではさらに、互換性のあるネットワークカードのユーザー空間経由での高速パケットプロセスを有効化するDPDK(Data Plane Development Kit)を含むOpen vSwitchのexperimental previewも取り込んでいます。詳しいことはopenvswitch-switch-dpdkパッケージを参照してください。

Ceph 0.94.3

Ubuntu 15.10ではCephの最新リリースである0.94.3 'Hammer'を取り込んでいます。

Ceph Hammerリリースに関する詳しいことは、アップストリームのリリースノートをご覧ください。

既知の問題

どんなリリースでも予想される通り、Ubuntu 15.14のこのリリースにもユーザーが陥りそうな重大な既知の不具合がいくつか存在します。この時点で判明しているバグ(およびいくつかの回避策)をここに記しますので、これらの不具合を再度報告するのに無駄な時間を費やす必要はありません。

起動、インストール、インストール後の問題

  • VirtualBox について、現在のところインストーラーに問題があるため、インストールが完了してメディアが排出されたのちにENTERを押しても再起動されません。電源をオフにして再度投入することで、インストールされたシステムに入ることができます。これは 1447038 でトラックされています。

  • 今後、amd64(Intel x86 64bit)イメージで特にAppleのハードウェアをターゲットにしたもの(amd64+mac)は作成されません。ほとんどのAppleのコンピューターは現在、EFI(非レガシー)の起動方法を使えばamd64イメージを直接起動できます。ただし、その場合、ファームウェアが最新でなければなりません。何らかの理由でお使いのハードウェアでamd64イメージを適切に使用しても起動しない場合は、EFIのアップデートが保留になっていないか確認してください。それでも動作しない場合は bug #1298894 を参考に、64bit ISOにパッチを当ててください(Macbook 2および1で動作をテストしています)。あるいは、単純にi386 (32bit)イメージを使用してください。

  • syslinuxの変更により、現在のところ、14.04以前のリリースからusb-creatorを使って15.04以降のUSBイメージを書き込むことができません。15.04以降のシステムから以前のリリースのUSBイメージを書き込むこともできないと考えています。今のところの回避策は、書き込むイメージにあわせたリリースを使うことです。しかしながら、この非互換性を回避するためのアップデートをすぐに提供する予定です。 132580114466461499746

  • 空のディスク にUEFIシステムをインストールする際に、ユーザーがカスタムパーティションを作成すると、すでにインストールされているシステムが存在しないにも関わらず、インストーラーが「UEFIインストールを強制しますか?」というダイアログを表示します(1447256)。このダイアログはパーティションのカスタマイズを行わないと表示されません。そもそも以前にインストールされたシステムに存在しないため、このメッセージは無害であり、引き続きインストールを続行することができます。

  • DELL XPS 13において、パーティション設定時に「ディスク全体を削除してインストール」を選択すると、EFIパーティションまで削除してしまいます (1499323) 。このEFIパーティションとブートパーティションはこのバグレポートに記載されている手順で復旧可能です。

  • Liveセッション中にインストールしたバイナリドライバー(例えばwifi)は、インストール完了後のシステムにはインストールされません (1508063) 。これは、Liveセッション中にドライバーをインストールしないか、インストール完了後に改めて起動メディアからドライバーをインストールすることで回避できます。

  • Ubiquityオンリーモード(つまりLiveセッションを使わないモード)でインストールしている最中に、unity-system-settingsが予期せぬ終了をし、その結果ウィンドウデコレーションがおかしくなったり、他にも見た目がおかしくなることがあります (1508327) 。システムのインストールには影響しませんので、そのままインストール作業を続けてください。

アップグレード

  • アップグレード前にキーボードレイアウトをいくつか設定している場合、アップグレード後に誤ったレイアウトが選択されるかもしれません (1447157) 。キーボードインジケーターまたはシステム設定よりお好みのキーボードレイアウトを再度選択して、デフォルトに設定してください。この設定は再起動しても有効になります。

グラフィックやディスプレイ

  • AMDの fglrx ドライバーは現在のカーネルでは動作しません (1493888) 。Ubuntu 15.10にアップグレードする前に、fglrxドライバーをアンインストールすることをおすすめします。この問題が修正されるまでは、オープンソースの"radeon"ドライバーを一時的な回避策として利用できます。

日本語翻訳版独自の記述

Fcitx

15.10からFcitxがデフォルトのインプットメソッドになりました。変換エンジンはMozcです。
新規インストールの場合ログイン時にMozcが自動的に認識されません。手動で追加する方法はwikiページにありますので、参照ください。


公式フレーバー

公式フレーバーの各リリースノートは、以下のリンクで参照できます(訳注:更新日時現在、一部翻訳です):


より詳しい情報

バグレポート

あなたのコメントやバグレポート、レポートへのコメント・パッチの投稿・提案は、バグの修正や将来のリリース品質の改善につながります。ツールを用いてバグを報告してください

バグの修正を通じて貢献したいのであれば、Bug Squad ページが役に立つでしょう。

Ubuntuに参加するには

Ubuntuを支援したいのであれば、以下の支援できる方法の一覧に目を通してみてください。

Ubuntuに関して

Ubuntuに関するより詳しい情報は、UbuntuのWebサイトUbuntu wikiを確認してください。

Ubuntuの開発に関するアナウンスを受け取るには、Ubuntu-devel-announceメーリングリストを購読してください。

WilyWerewolf/ReleaseNotes/Ja (last edited 2015-10-28 00:05:04 by 210-146-238-38)