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イントロダクション

このリリースノートには、 Ubuntu 17.04 (Zesty Zapus)のリリース概要とUbuntu 17.04とそのフレーバーに関する既知の不具合を記述しています。

サポート期間

Ubuntu 17.04は2018年1月までの9ヶ月間サポートされます。長期サポートを必要とする場合は、Ubuntu 16.04 LTSの使用をおすすめします。

公式フレーバーのリリースノート

公式フレーバーのリリースノートはこちらで確認できます。


Ubuntu 17.04 を入手する

Ubuntu 17.04 をダウンロードする

インストールイメージは、以下からダウンロードできます。お近くのミラーからも入手できるでしょう。

インストールイメージのダウンロードサイト:

http://releases.ubuntu.com/17.04/ (Ubuntu DesktopとServer)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntu/releases/17.04/release/ (より利用数の少ないイメージ)
http://cloud-images.ubuntu.com/releases/17.04/release/ (Ubuntu Cloud Server)
http://cdimage.ubuntu.com/netboot/17.04/ (Ubuntu Netboot)
http://cdimage.ubuntu.com/kubuntu/releases/17.04/release/ (Kubuntu)
http://cdimage.ubuntu.com/lubuntu/releases/17.04/release/ (Lubuntu)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntu-budgie/releases/17.04/release/ (Ubuntu Budgie)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntu-gnome/releases/17.04/release/ (Ubuntu GNOME)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntukylin/releases/17.04/release/ (Ubuntu Kylin)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntu-mate/releases/17.04/release/ (Ubuntu MATE)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntustudio/releases/17.04/release/ (Ubuntu Studio)
http://cdimage.ubuntu.com/xubuntu/releases/17.04/release/ (Xubuntu)

Ubuntu 16.10からのアップグレード

デスクトップ環境でのアップグレード手順は次のとおりです:

  • システム設定から「ソフトウェアとアップデート」を開きます。
  • 3つめの「アップデート」と書かれたタブを選択します。
  • 「Ubuntuの新バージョンの通知」のドロップダウンメニューを「すべての新バージョン」にします。
  • Alt + F2を押してコマンドボックスに"update-manager -c"と入力します(ダブルクオーテーションは付けません)。
  • 「ソフトウェアの更新」が開いて、次のように表示されるはずです: 「17.04 が入手可能です」
    • 表示されない場合、"/usr/lib/ubuntu-release-upgrader/check-new-release-gtk"を使用することもできます。
  • 「アップグレード」を押し、画面に表示される指示に従います。

サーバー環境でアップグレードするには、次の手順を用います:

  • update-manager-core をインストールしていない場合はインストールします。

  • /etc/update-manager/release-upgrades の Prompt 行が normal に設定されていることを確認します。

  • sudo do-release-upgrade のコマンドでアップグレードツールを起動します。

  • 画面に表示される指示に従います。

注意: サーバーのアップグレードではGNU screenを使用しており、通信が切断されてしまった場合などでも自動的に再アタッチします。

Ubuntu DesktopやUbuntu Server向けのオフラインでのアップグレードオプションはありません。公式ミラーや各地の接続可能なミラーのいずれかにネットワーク接続できることを確認して、上記の指示に従ってください。

17.04 の新機能

32ビットPowerPCサポートの終了

  • 17.04のリリースにはpowerpcアーキテクチャーは含まれません。詳細はアナウンスを参照してください。

  • ppc64elのサポートは、引き続き行われます。

ネットワーク

  • 標準のDNSリゾルバーがsystemd-resolvedになりました。

スワップ

  • 新規インストールから、スワップパーティションの代わりにswap fileが使われるようになりました。

アップデートされたパッケージ

Linux kernel 4.10

Ubuntu 17.04はLinuxリリースシリーズ4.10をベースにしています。

ドライバーレスプリンティング

プリンター固有のドライバーがない状態でも印刷できるプリンターをサポートしました。IPP EverywhereApple AirPrintに対応するプリンターがそれに該当しますが、一部のPDF・Postscript・PCLプリンターについても動作します。これによりUSBメモリを接続するのと同じような手軽さで、プリンターを利用することができます。

  • この機能の対象となるプリンターは、ネットワーク経由でもUSB経由でも接続できます。
  • IPP EverywhereプリンターやApple Airprintプリンターの設定は完全に自動的に行われるはずです。ただ単にUSBプリンターを接続するか、ネットワークプリンターをローカルネットワークに繋げるだけです。
  • IPPネットワークプリンターを自動的に設定させたくない場合は、/etc/cups/cups-browsed.confの"CreateIPPPrinterQueues No"が有効になるように編集してください。また、適切なPDF・Postscript・PCLプリンターを自動的に設定したい場合は、"CreateIPPPrinterQueues All"が有効になるように編集してください。/etc/cups/cups-browsed.confを編集したあとは再起動してください。
  • system-config-printerを用いてドライバーレスネットワークプリンターを手動で設定する場合は、ネットワークプリンターとして検索されたプリンターを選択し、(「デバイスを選択」を経由した)「接続」リストの中から「DNS-SD 経由の IPP ネットワークプリンター」か"Driverless IPP"を選択してください。CUPSウェブインターフェースの場合は、検索されたネットワークプリンターのエントリーにある"driverless"を見て、"Make"・"Model"・"Driver"において"driverless"を選択してください。

  • ドライバーレスUSBプリンター(IPP-over-USB)については、http://localhost:60000/のウェブ管理インターフェースから検索してください(複数のプリンターを接続している場合、他のプリンターはそれぞれ60001、60002とポート番号が割り当たります)。管理インターフェースにはFirefox経由でアクセスすることを強く推奨します。

  • WiFiプリンターではあるものの、フロントパネルでWiFiに関する設定ができない場合、USB経由での接続を試してください。それがIPP-over-USBプリンターであれば、ウェブインターフェースによって設定できるようになります。その後USBを切断して、WiFiで接続しなおしてください。

  • HPの複合機のうち、スキャナーが搭載された機種を利用する場合、これまでと同様にHPLIBドライバーを使いたいかもしれません。ドライバーレスモードを使用中は、スキャナーを利用できません。system-config-printerを使うことで、この制限に自動的に対応します。
  • ドライバーレスプリンティングは、デスクトップ版とサーバー版どちらのUbuntuでもサポートしています。

Ubuntu Desktop

  • LibreOffice5.3に更新されました。

  • GNOMEによって提供されるアプリケーションは3.24に更新されました。例外は「Natuilsファイルマネージャー(3.20)」、「端末(3.20)」、「Evolution(3.22)」、「ソフトウェア(3.22)」です。

  • カレンダーアプリに表示が追加されました。

  • gconfは、だいぶ前にgsettingsに置き換わっていたにもかかわらずインストールされていましたが、ついに標準ではインストールされなくなりました。このため17.04にアップグレードすると、Aisleriot(ソリティア)カードゲームの成績や設定がリセットされます。

  • 通常とは異なるセッションの選択肢として、Unity 8を利用できます。

Ubuntu Server

qemu 2.8

QEMUはリリース2.8に更新されました。

詳細はChangelogを参照してください。

libvirt 2.5

libvirtはバージョン2.5に更新されました。 詳細はChangelogsを参照してください。

管理者が気をつけるべきこととしては、システム設定とhuge pageの利用可能なサイズによっては、ゲストXMLにおけるhugepagesのページサイズの指定が必須になることです。

LXD 2.12

LXDバージョン2.12となり、NVidia CUDAを含むGPUパススルー機能が追加されました。新しいストレージAPIが追加され、複数のストレージプールを作成し、コンテナのホストや独立したストレージボリュームとして利用できるようになっています。

さらに、Ubuntu Core 16のサポートを含む、いくつもの新しいイメージが追加されています。

DPDK

Ubuntu 17.04では、DPDKの最新版16.11.1を導入しています。

詳細については、安定版のアナウンスに加えて、リリースノートを参照してください。

テクノロジープレビューとして、ppc64elでもDPDKが利用可能になっています。16.11.1で行われた一般的な改善に加えて、i40e PMD有効化時やsPAPRプラットフォームにおけるfio-pciスキャンの改善などを行っています。

OpenStack Ocata

Ubuntu 17.04では最新のOpenStackリリースであるOcataと、次のコンポーネントが導入されています:

  • OpenStack Identity - Keystone

  • OpenStack Imaging - Glance

  • OpenStack Block Storage - Cinder

  • OpenStack Compute - Nova

  • OpenStack Networking - Neutron

  • OpenStack Telemetry - Ceilometer, Aodh and Gnochi

  • OpenStack Orchestration - Heat

  • OpenStack Dashboard - Horizon

  • OpenStack Object Storage - Swift

  • OpenStack Database as a Service - Trove

  • OpenStack DNS - Designate

  • OpenStack Bare-metal - Ironic

  • OpenStack Filesystem - Manila

  • OpenStack Key Manager - Barbican

OpenStackのこのリリースの詳細についてはOpenStack Ocataリリースノートを参照してください。

OpenStack Ocataは、Ubuntu Cloud Archiveを通じて、Ubuntu 16.04 LTSユーザー向けにも提供されています。

警告:デプロイ済みのOpenStackをアップグレードするのは、単純なプロセスではありません。十分注意して、デプロイ済みのOpenStack毎に特化したアップグレード手順の計画やテストを行ってください。

Jujuを用いてUbuntu OpenStackをデプロイする方法については、OpenStack Charmリリースノートを参照してください。

既知の問題

予想される通り、あらゆるリリースと同じように、今回のUbuntu 17.04のリリースにもユーザーが陥りそうな重大な既知の不具合がいくつか存在します。現時点で判明している不具合(およびいくつかの回避策)をここに記録しておきます。これらの不具合については、再度報告する必要はありません。

インストール

  • パーティショニングにおいて、/bootパーティションを分離することなく、複数のデバイスをLVMとして設定できてしまいます。これはインストール処理の最後において、ブートローダーのインストールの失敗を引き起こし、インストール完了後に起動できなくなります。(1680101)

  • 複数個の、名前が衝突する/同一の ボリュームグループを検知した状態でのインストールはサポートされていません。たとえば、個々にUbuntuをLVMを使ってインストールした複数個のディスクドライブに対して、LVMを用いてUbuntuを再インストールしようとする場合が該当します。回避策として、インストールする前にディスクドライブをフォーマットするか、インストーラーが提供するビルトインシェル上で構成してください。(1679184)

OpenVPN

OpenVPN 2.4は、tls-remoteオプションを削除しました。現在の設定がこのオプションを使っている場合、動かなくなります。代わりにverify-x509-nameを使うよう、設定を更新してください。

アップグレード

  • アップグレード時に、新しいカーネル用にDKMSモジュールがビルドされないことがあります。回避策として、新しいカーネルで再起動したあとにモジュールを再インストールしてください。(1681566)

  • s390xアーキテクチャーにおいて、KVMの仮想マシンの中のインターフェース名はアップグレード前後で保持されません。新規に「推測可能なインターフェース名」(predictable interface names)が使われるようになります。その結果、/etc/network/interfacesの中の名前が正しくなくなることで、ネットワークが未接続状態となるでしょう。ethXのインターフェース名を保持するためのSRUを準備中です。(1682437)

Desktop

  • いくつかのサードパーティの.debファイルは、「ソフトウェア」アプリケーションからインストールできません。(1672424)


公式フレーバー

公式フレーバーの各リリースノートは、以下のリンクで参照できます:


より詳しい情報

バグレポート

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バグの修正を通じて貢献したいのであれば、Bug Squadページが役に立つでしょう。

Ubuntuに参加するには

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Ubuntuに関して

Ubuntuに関するより詳しい情報は、UbuntuのWebサイトUbuntu wikiを確認してください。

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ZestyZapus/ReleaseNotes/Ja (last edited 2017-04-18 04:22:29 by kazken3)