Contents

  1. はじめに
  2. Ubuntu 13.10の入手
    1. Ubuntu 13.04からのアップグレード
    2. 他のリリースからのアップグレード
    3. Windows向けUbuntuダウンローダーは提供されません
    4. サポート期間
    5. Ubuntu 13.10のダウンロード
  3. 13.10での新機能
    1. アップデートされたパッケージ
      1. Linux kernel 3.11
      2. Upstart 1.10
      3. CUPS 1.7, cups-filters 1.0.40, Ghostscript 9.10, Cairo 1.12.16
      4. Python 3.3
      5. AppArmor
      6. LibreOffice
    2. 64-bit ARMアーキテクチャ
    3. Ubuntu
      1. Upstart User Sessions
    4. Ubuntu Server
      1. OpenStack 2013.2 (Havana)
      2. Juju 1.16.0
      3. MAAS 1.4
      4. LXC 1.0~alpha1
      5. 仮想化
      6. Apache 2.4ならびにPHP 5.5
      7. Ceph 0.67.4
      8. Open vSwitch 1.10.2
      9. Cloud-Init 0.7.3とCloud Images
      10. Puppet 3
    5. Ubuntu for Phones
    6. Kubuntu
    7. Xubuntu
    8. Edubuntu
    9. Lubuntu
    10. Ubuntu Studio
    11. UbuntuKylin
    12. Ubuntu GNOME
  4. 既知の問題点
      1. 起動、インストール、インストール後の動作
    1. Migration
    2. Graphics and Display
    3. ネットワーク
    4. デスクトップ
    5. Kernel
    6. Ubuntu for phones
      1. アプリケーションの隔離機能(Application Confinement)
      2. ブラウザー
      3. カレンダー
      4. カメラ
      5. 時計
      6. Dropping Letters
      7. 言語とシェル環境
      8. ロケーション
      9. メディアプレイヤー
      10. メディアスキャナー
      11. Mir
      12. SDK - Qt Creator
      13. 電話機能
      14. Shorts
      15. Software Store
      16. 天気
      17. プラットフォーム全般
    7. Ubuntu Server
      1. MAAS
      2. OpenStack
    8. Ubuntu Core
    9. Kubuntu
    10. Xubuntu
    11. Lubuntu
    12. Ubuntu Studio
    13. UbuntuKylin
  5. バグレポート
  6. 日本語翻訳版独自の記述
    1. IBus 1.5
    2. テキスト入力/入力ソース(Ubuntu/Ubuntu GNOME)
    3. indicator-keyboard(Ubuntu)
    4. 日本語に関する既知の不具合(Ubuntu)
    5. IBus以外のインプットメソッドを使用する場合の注意点
    6. Fcitx
    7. im-setup-helper
  7. Ubuntuに参加するには
  8. より詳しい情報

はじめに

Ubuntu開発者は、オープンソースコミュニティーが提供する最も新しく、そして素晴らしいソフトウェアを提供するため迅速に対応しています。

Ubuntu 13.10の入手

Ubuntu 13.04からのアップグレード

デスクトップ環境でUbuntu 13.04からアップグレードするには、次の手順を用います。:

サーバー環境でUbuntu 13.04からアップグレードするには、次の手順を用います。:

注意: サーバーのアップグレードではGNU screenを使用しており、通信が切断されてしまった場合などでも自動的に再アタッチします。

Alternate CDからのオフラインでのアップグレードオプションはUbuntu DesktopやUbuntu Serverにはもはや提供されません。公式ミラーや各地の接続可能なミラーの1つへのネットワーク接続があることを確認して上記の指示に従ってください。

他のリリースからのアップグレード

他のUbuntuのリリースのユーザーはまず13.04にアップグレードしてから、13.10にアップグレードする必要があります。

13.10へのアップグレードについてより詳しい情報を得るには、upgrade instructionsをご覧ください。

Windows向けUbuntuダウンローダーは提供されません

Wubiには、13.04で解決しきれなかったさまざまなバグがあるため、Wubiインストーラーは今回もリリースされません。この決定についての詳細は、ここで読むことができます。Windowsシステムのパーティションを切り直さずにUbuntuを試したいユーザーは、Wubiではなく、DVDまたはUSBディスクからブートできるライブシステムを利用してください。

サポート期間

Ubuntu 13.10は、9ヶ月間のみサポートされます。Ubuntu 13.04より前の「LTSではないリリース」では18ヶ月間サポートされていました。詳細な情報は、ここまたはここのアナウンスを参照してください。

Ubuntu 13.10のダウンロード

13.10のイメージは、近くにあるミラーサイトからダウンロードできます。

オフィシャルなミラーサイトを利用する場合(訳注:リリースからしばらくの間は混雑のため転送性能があまり高くないため、ミラーサイトを探してみることを強くお勧めします)、ISOイメージは以下からダウンロードできます:

http://jp.releases.ubuntu.com/13.10/ (Ubuntu Desktop and Server)
http://cloud-images.ubuntu.com/releases/13.10/release/ (Ubuntu Cloud Server)
http://cdimage.ubuntu.com/netboot/13.10/ (Ubuntu Netboot)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntu-core/releases/13.10/release/ (Ubuntu Core)
http://cdimage.ubuntu.com/edubuntu/releases/13.10/release/ (Edubuntu DVD)
http://cdimage.ubuntu.com/kubuntu/releases/13.10/release/ (Kubuntu)
http://cdimage.ubuntu.com/lubuntu/releases/13.10/release/ (Lubuntu)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntustudio/releases/13.10/release/ (Ubuntu Studio)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntu-gnome/releases/13.10/release/ (Ubuntu-GNOME)
http://cdimage.ubuntu.com/ubuntukylin/releases/13.10/release/ (UbuntuKylin)
http://cdimage.ubuntu.com/xubuntu/releases/13.10/release/ (Xubuntu)

Ubuntu 13.10 for phonesをインストールするには、Touch/Installにある指示に従ってデバイスのイメージをダウンロードして書き換えを行なってください。

13.10での新機能

詳細は Saucy blueprint list を参照してください。

テストして、バグを発見したら報告してください:

アップデートされたパッケージ

毎回の新しいリリースの場合と同様に、パッケージ(すべての種類のアプリケーションとソフトウェア)は速いペースでアップデートされています。これらのパッケージの多くはDebianのunstableブランチから自動的に同期されています。その他のパッケージは13.10向けに明示的にpullされています。

Ubuntu 13.10に投入されたすべてのパッケージのリストを見るには、saucy-changesを購読してください。

Linux kernel 3.11

Ubuntu 13.10は3.11.0-12.19 Ubuntu Linux kernelを採用しており、これはv3.11.3 upstream Linux kernelをベースとしたものです。

Upstart 1.10

このリリースでは、新しい「bridge」として、 upstart-file-bridge(8) が追加されています。これは、ファイルシステムの変化をトリガーにしたジョブを実現する機能です。たとえば、なんらかのファイルが作成されたことをジョブの「start」条件にするには、次のようにします:

start on file FILE=/var/log/foo.log EVENT=create

あるいは、ファイルグロブを用いて、いずれかのファイルが 削除された ことをジョブの「start」条件にするには、次のように記述します。

start on file FILE=/var/app/*.foo EVENT=delete

詳細は、 upstart-file-bridge(8)file-event(7) manページを参照してください。

これらとは別に、新しく upstart-monitor(8) ツールが追加されました。このツールは、Upstartイベントをリアルタイムに表示するものです。GUIアプリケーションとしても、コンソールコマンドとしても利用可能です。

CUPS 1.7, cups-filters 1.0.40, Ghostscript 9.10, Cairo 1.12.16

今回の印刷システムでは大きな変更はありませんが、小さなバグ修正と改善が数多く行われています。

CUPS 1.7: client.conf経由で古いCUPSサーバーを用いるときに、”ServerName ..." 行の サーバー名の末尾に "/version=1.1" (サーバーのIPPバージョンを指定する) を指定できるようになりました。この機能はCUPSのドキュメントに記載、コマンドラインツールはサーバーへのアクセスが失敗したときに、"/version=1.1" オプションを追加すると問題が解決する可能性がある、というヒントを表示するようになりました。

プリンターの機種特有のUSBの非互換性を回避するために /usr/share/cups/usb/org.cups.usb-quirks ファイルが定義され、ユーザーあるいはシステム管理者が容易にルールを追加できるようになりました。もしこのファイルを編集して、あるプリンターを動作できるようにしたならば、"cups"パッケージにバグをレポートして、その変更を我々に教えてください。

CUPSの設定ファイルが失われるという問題を以前に経験されたとしたら、その問題は今回で修正されているはずです。もしその問題が依然起こるのであれば、/etc/cups/cups-files.confに"SyncOnClose Yes"行があるか確認してください。 cups-filters 1.0.40: 互換性と信頼性向上のため、いくつかの改善とバグ修正が行われました。例えばGhostscriptの出力するPostscriptがうまく動かないPostscript印刷可能なプリンターのために、Popplerを使ったり、無駄なフィルターチェインを省略したり、いくつかのメモリリークを修正したり、その他、多くの修正が行われています。 数えきれないほどのバグ修正に貢献してくれたRed HatのTim WaughとJiri Popelkaに感謝します。

BonjourおよびCUPSブラウジングはデフォルトでは両方有効にされています。これは、すべてのバージョンのCUPSで共有されているプリンターをリストアップするためです。/etc/cups/cups-browsed.confにてこの動作を変更できます。

Cairo 1.12.16: ほとんどのGNOMEアプリケーション(Cairoグラフィックライブラリーを用いたもの)の印刷ジョブ出力は最適化され、よりよい印刷パフォーマンスを得られます。特にPostScriptプリンターで顕著です。

Python 3.3

我々は最終的にPython 2ではなくPython 3をUbuntuデスクトップイメージとともにリリースするつもりです。Ubuntu 13.10イメージの作成に向けてこのプロセスを継続したものの、Ubuntu 13.10のリリースに向けてすべてをPython 3に変換することはできませんでした。

もし、Python 2をベースにしたプログラムを持っている場合でも心配は要りません。Python 2はしばらくの間、引き続き(pythonパッケージとして)利用可能です。しかし、将来のUbuntuのバージョンを十分にサポートするには、自分のコードをPython 3へポートすべきです。Python/3にはこれについていくらかのアドバイスとリソースがあります。

AppArmor

AppArmorには、いくつかの新機能がUbuntu 13.10において追加されています。特筆すべきは以下のものです。

AppArmorポリシーのうち、パッケージに含まれているものについては、上記の変更を踏まえた修正が加えられています。しかし、利用者の側で生成したポリシーは個別に対応する必要があります。名前付きAF_UNIXソケットの制御を行うルールをUbuntu 8.04 LTS環境で生成していた場合、おそらく「rw」を許可するルールを含まない状態になってしまっているでしょう。また、DBusの制御ポリシーについては、移行のために、既存のパッケージに含まれるポリシーファイルには、DBus関連の全アクセスを許可するルールが記述されていることがあります。こうしたソフトウェアパッケージについても、今後のUbuntuのリリースでは適切な粒度でのアクセス制御に移行する予定です。

LibreOffice

LibreOfficeはアップストリームの4.1.2ファイナルリリースと等しい、バージョン4.1.2~rc3にアップデートしました。LibreOffice 4.1の新機能は次のものが含まれます:

64-bit ARMアーキテクチャ

Ubuntu 13.10には、新しいサポートアーキテクチャとして64bit ARMシステム(『arm64』アーキテクチャ。「AArch64」や「ARMv8」と呼ぶこともあります)への対応が、開発者向けプレビューとして含まれています。このサポートは限定的なもので、現在も開発が続けられているものです。しかしながら、現状でも開発者が作業したり、ARMサーバーを構成し、実験的なテストをする上では十分であると考えられます。Ubuntu Core arm64イメージは、ARMv8 Foundation Model上で利用できるカーネル(カーネルは13.10には含まれていません)で動作するルートファイルシステムとして提供されます。

時間的な制約により、現在のところ、Ubuntuのアーカイブのarm64向けパッケージはサブセットだけが提供されます。armhfアーキテクチャのものと比較すると、「main」に含まれるもののうち、94%のバイナリパッケージが存在します。また、アーカイブ全体では69%のバイナリパッケージだけが存在します。Ubuntu 14.04に向けて、このカバー率を改善する予定です。

Ubuntu

Upstart User Sessions

このリリースから、Upstart User Sessionsがデフォルトで有効になりました。これにより、Upstartが各ユーザーのデスクトップセッションを管理するようになっています。

動作しているUpstartのセッション情報を確認するには、echo $UPSTART_SESSION を実行することで、D-Bus経由でSession Initプロセスの一覧を確認できます。もしくは、次のコマンドを用いることで、Upstartセッションを構成するプロセスのPIDを $UPSTART_SESSION の値とともに把握することができます。

$ initctl list-sessions

User Sessionも、通常のUpstartと同じコマンドで操作できます(つまり initctlstartstop を利用できます)。たとえば、ユーザーセッションで実行されているJobを確認するには次のように操作します(訳注:sudoコマンドを付けず、一般ユーザーとしてinitctlを実行していることに注意してください)。

$ initctl list

System Job をユーザーセッション上からリストする場合、次の2種類の操作のうち、いずれかを利用してください:

$ initctl --system list
$ sudo initctl list

Session Jobは /usr/share/upstart/sessions/ に加えて、 $XDG_CONFIG_HOME/upstart/ (もしくは $HOME/.config/upstart 。ただし、この設定が使われるのは $XDG_CONFIG_HOME が設定されていない場合のみです)で指定されたサービスを起動します。

Session Jobの出力は $XDG_CACHE_HOME/upstart/ (もしくは $HOME/.cache/upstart/ 。ただし、 $XDG_CACHE_HOME が設定されていない場合のみ)に記録されます。

init(5) に詳細な情報があります。

Ubuntu Server

OpenStack 2013.2 (Havana)

Ubuntu 13.10はOpenStackの2013.2 Havanaを含んでいます。13.10においてOpenStackプロジェクトはNova、Glance、Swift、Keystone、 Horizon、Cinder、Neutron、そしてCeilometerをサポートしています。Heatも13.10ではUbuntu Universeに含まれています。

Quantum(OpenStack Networking)は名前をNeutronに変更しました。更新パッケージは必須な移行としてインストールしますが、/etc/quantum配下の設定ファイルは、適切な設定の確認と更新を行ない/etc/neutronに手動で移行する必要があります。

OpenStack HavanaはUbuntu Cloud Archiveにて、Ubuntu Server 12.04 LTSでも利用できます。

Juju 1.16.0

Ubuntu 13.10はJujuの1.16.0リリースを含んでいます。これは以下の新しい特長があります:

現在、Juju 0.7で構築した環境は1.16.0に移行することができません。後方互換性のため、Juju 0.7は13.10のアーカイブにあります。

Juju 0.7クライアントツールへ戻すには以下のようにします:

sudo update-alternatives --set juju /usr/lib/juju-0.7/bin/juju

また、新しい1.16.0リリースに戻すには以下のようにします:

sudo update-alternatives --set juju /usr/lib/juju-1.16.0/bin/juju

すべての詳細はJujuドキュメントを確認してください。

Juju 1.16.0はUbuntu Cloud Tools Archiveにて、Ubuntu Server 12.04 LTSでも利用できます。

MAAS 1.4

Ubuntu 13.10には最新のMAASリリース(1.4)が含まれます。このUpstreamの新リリースには、多くのバグ修正と機能強化が含まれています。新しい機能は次の通りです。

新機能やバグフィックスについてより詳しい情報を得るには、MAAS ChangeLogを確認してください。

MAAS 1.4はUbuntu Cloud Tools Archiveにて、Ubuntu Server 12.04 LTSでも利用できます。

LXC 1.0~alpha1

多くの年月を開発に費やし、ついにLXCが「main」リポジトリに収録されるようになりました。これにより、Ubuntu Security teamによる確認とサポートが提供されるようになっています。

Ubuntu 13.10にはLXC 1.0~alpha1が含まれています。これは、Ubuntu 14.04 LTSに採用される予定のLXCリリースの、最初のスナップショットバージョンです。14.04 LTSに採用されるLXCには、upstreamとの協働による、5年間のバグフィックス&セキュリティアップデートが提供される予定です。

LXC 1.0~alpha1には次の機能が含まれます:

詳細はLXCの新しいWebサイトか、Ubuntu Server guideを参照してください。

仮想化

Ubuntu 13.10にはQemu 1.5.0およびlibvirt 1.1.1が含まれます。

Qemu 1.5.0およびlibvirt 1.1.1はOpenStack Havana向けのUbuntu Cloud Archiveの一部としてUbuntu Server 12.04 LTSでも利用できます。

Apache 2.4ならびにPHP 5.5

Ubuntu 13.10ではApache 2.4ならびにPHP 5.5が採用されています。これらのパッケージのユーザーは、アップグレードを行う前にApache 2.4のディレクティブ、新しいツール、Ubuntuパッケージにおける設定スニペットを管理するためのディレクトリ構造について互換性を確認してください。

より詳細な情報は、Apache 2.4 アップグレードガイド ならびにPHP 5.5 マイグレーションガイド を参照してください。

Ceph 0.67.4

Ubuntu 13.10では最新のCeph Dumpling LTSリリース(0.67.4)が採用されており、パフォーマンスならびに効率の改善やブロックデバイスの暗号化が提供されています。

アップグレードを行う際の完全な詳細については、Ceph リリースノート を参照してください。

Ceph Dumplingは、Ubuntu Server 12.04 LTSでもOpenStack Havana向けのUbuntu Cloud Archiveの一部として利用できます。

Open vSwitch 1.10.2

Ubuntu 13.10ではVXLANオーバーレイネットワークをサポートしたOpen vSwitch 1.10.2が採用されています。

Open vSwitch switchデーモンは、Upstartジョブとして管理されるようになりました。これによりブートプロセスの初期段階からOpen vSwitchを利用できるようになっています。この移行に伴い、Open vSwitchのinitスクリプトに含まれていた 'force-reload-kmod' サブコマンドは、Upstartジョブ 'openvswitch-force-reload-kmod' に置き換えられました。これらは、Open vSwitchの完全なリロード(カーネルモジュールとデーモンの再起動)を提供します。

sudo start openvswitch-force-reload-kmod

このリリース時点で、bridge互換モジュールは削除されています - ユーザーはUbuntuネットワークスクリプトに統合されたネイティブなOpen vSwitchを利用するよう移行する必要があります - 詳細はパッケージの README を参照してください。

Open vSwitch 1.10.2は、Ubuntu Server 12.04 LTSでもOpenStack Havana向けのUbuntu Cloud Archiveの一部として利用できます。

Cloud-Init 0.7.3とCloud Images

Ubuntu 13.10には、Cloud-Init 0.7.3が含まれます。次の新機能を提供します:

13.10から、Joyent Cloud(SmartOS)をUbuntu Cloud Imagesのサポート対象に加えました。Cloud Imagesはリリースのすぐ後に提供する予定です。Cloud-InitのSmartOSサポートには、user-dataやuser-scriptsを「smartdc」ツールから指定できる機能が含まれています。利用者は、user-dataをbase64エンコードして利用するのが典型的な利用例です。

Cloud ImagesのWindows Azure向けバージョンでは、cloud-initを完全な形で利用できるようになりました。以前のCloud Imagesはcloud-initとともにwalinuxagentを利用する形でしたが、walinuxagentによる設定機能をすべて無効にし、Cloud-Initが全体を設定するようになっています。

Puppet 3

Ubuntu 13.10にはPuppet 3が含まれます。これは既存のUbuntuのリリースに含まれていたPuppet 2.7.xからのメジャーアップグレードで、互換性のない変更を数多く含んでいます。

利用の前に、Upstreamのrelease notesを確認し、利用環境において互換性のない変更が含まれないか確認するようにしてください。

Ubuntu for Phones

13.10では、スマートフォン向けのはじめてのイメージを提供することで、Ubuntuプロジェクトとして大きな進歩を成し遂げました。さらに、長年Ubuntuディストリビューションにおいて存在していた多くの問題を解決するために、Ubuntu phoneのイメージには次のような新技術が導入されています:

13.10における、主なサポート対象はGalaxy NexusとNexus 4ですが、それ以外の携帯電話やタブレットで利用できるイメージもあります。

Kubuntu

Kubuntuのこのリリースにおける補足説明はこちらで確認できます: http://kubuntu.org/news/kubuntu-13.10

Xubuntu

Xubuntuのこのリリースにおける補足説明はこちらで確認できます: https://wiki.ubuntu.com/SaucySalamander/ReleaseNotes/Ja/Xubuntu

Edubuntu

Edubuntuのこのリリースにおける補足説明はこちらで確認できます: https://wiki.ubuntu.com/SaucySalamander/ReleaseNotes/Edubuntu

Lubuntu

Lubuntuのこのリリースにおける補足説明はこちらで確認できます: https://wiki.ubuntu.com/SaucySalamander/ReleaseNotes/Ja/Lubuntu

Ubuntu Studio

Ubuntu Studioのこのリリースにおける補足説明はこちらで確認できます: https://wiki.ubuntu.com/SaucySalamander/ReleaseNotes/Ja/UbuntuStudio

UbuntuKylin

UbuntuKylinのこのリリースにおける補足説明はこちらで確認できます: https://wiki.ubuntu.com/UbuntuKylin/1310-ReleaseNotes

Ubuntu GNOME

こちらを参照してください: Ubuntu GNOME リリースノート

既知の問題点

ソフトウェアでは避けられないことですが、Ubuntu 13.10のリリース作業において、いくつかの大きな問題点が見つかっています。ここでは、すでに明らかになっている問題点(そしてその回避策)を示します。また、ここに記述のあるバグは、追加で報告する必要はありません。:

起動、インストール、インストール後の動作

Migration

Graphics and Display

ネットワーク

デスクトップ

Kernel

Ubuntu for phones

アプリケーションの隔離機能(Application Confinement)

Ubuntu for Phoneの重要な機能のひとつは、サードパーティソフトウェアを安全な形で利用できることにすることです。ApplicationConfinementの実現に向けて多くの作業を行い、この機能を実現しています。特に、アプリケーションがUbuntu appstoreからインストールされた場合は、click packageへのAppArmorが適用されます。13.10のPhone向けアプリケーションの隔離は十分に機能する状態となっています。しかしながら作業はまだ残されており、14.04に向けて開発を継続しています。具体的には次の通りです。

ブラウザー

カレンダー

カメラ

時計

Dropping Letters

言語とシェル環境

ロケーション

メディアプレイヤー

メディアスキャナー

Mir

SDK - Qt Creator

電話機能

Shorts

Software Store

天気

プラットフォーム全般

Ubuntu Server

MAAS

OpenStack

Ubuntu Core

Kubuntu

Xubuntu

Lubuntu

Ubuntu Studio

UbuntuKylin


上記以外の既知の不具合については、LaunchpadのSaucy Salamanderバグトラッカーをご覧ください。

バグレポート

あなたのコメントやバグレポート、レポートへのコメント・パッチの投稿・提案は、バグの修正や将来のリリースの品質の改善につながります。ツールを用いてバグを報告してください

バグの修正を通じて貢献したいのであれば、Bug Squadページが役に立つでしょう。

日本語翻訳版独自の記述

IBus 1.5

IBusは1.4から1.5に更新され、GNOMEと統合して動作するようになりました。従来どおりGNOME環境以外でも動作します。ただし、1.5ではいくつかの機能が削除されています。削除された機能のうち、大きなものは以下のとおりです。

このうちのいくつかは、これまでとは異なる形の機能として実装されています。

また、仕様も大幅に変更されています。キーボードレイアウトと変換エンジンの双方が、[テキスト入力](Ubuntu GNOMEでは[入力ソース])という項目にまとめられました。これまでは「半角/全角キー」ないし「Ctrl+space」でIBusそのもののオン/オフを行なっていましたが、この操作は「各変換エンジンでの半角/全角の切り替え」に割り当てられています。[テキスト入力]([入力ソース])のソース切り替えは、Super+spaceキーで行います。また、IBusの終了時(たいていはデスクトップセッションからのログアウト時)に選択されていた[テキスト入力]([入力ソース])ソースが、次回起動時に暗黙で選択されるようになっています。

テキスト入力/入力ソース(Ubuntu/Ubuntu GNOME)

これまで[キーボード・インプットメソッド]で行ってきた設定は、[システム設定]の[テキスト入力]で行うようになりました(Ubuntu GNOMEでは[地域と言語]タブにある[入力ソース])。

これまでのIBus環境における、[すべてのアプリケーション間で同じインプットメソッドを共有する]と同等の機能はここから設定できます。これは言い換えると、この設定項目を変更する(デフォルトではオン)方法が、Ubuntu/Ubuntu GNOME以外の環境では変更する方法がないということでもあります。

IBus上でMozcなどのAnthy以外の変換エンジンを使用する場合は、[使用する入力ソース](Ubuntu GNOMEでは[入力ソース])にある[+]ボタンを押し、[入力ソースの選択]から追加してください。

indicator-keyboard(Ubuntu)

UnityのインジケーターにIBusの動作状態を示すアイコンを表示する機能がIBus本体からなくなった代わりに、indicator-keyboardという、キーボード入力に関連する機能を扱うインジケーターが追加されました。テキスト入力の切り替えや設定、文字マップが使用できます。ただしステータス(現在半角か全角か)を表示する機能やMozcの各種ツールを起動する機能はありません。

日本語に関する既知の不具合(Ubuntu)

IBus以外のインプットメソッドを使用する場合の注意点

必要なパッケージをインストールしたあと、次のコマンドを実行してください。

$ gsettings set org.gnome.settings-daemon.plugins.keyboard active false

IBusに戻す場合は、次のコマンドを実行してください。

$ gsettings set org.gnome.settings-daemon.plugins.keyboard active true

Fcitx

Fcitx [ˈfaɪtɪks] は2002年に開発が始まった老舗のインプットメソッドです。以前は翻訳を含めて日本語には弱かったのですが、開発者のご尽力により急速に改善し、現在ではIBusの代わりに使用できるまでになりました。変換エンジンもAnthyやMozcなどが使用できます。Fcitx独自の便利機能のほか、IBus 1.5でなくなったIBus 1.4の機能がすべて実装されています。ただしメニューの文言は異なり、[言語パネル]は[状態パネル]、[すべてのアプリケーション間で同じインプットメソッドを共有する]は[ウィンドウ間で状態を共有]です。ただし、Unity Dashでプレエディット(確定前文字列)が表示されません。この場合、[設定]([入力メソッドの設定])-[アドオン]タブ-[拡張]にチェック-[Fcitx XIM Frontend]-[設定]-[XIMでOn The Spotスタイルを使う]にチェックを入れ、Fcitxを再起動してください。Unity Dashの左下にプレエディットが表示されるようになります

Japanese Teamの追加パッケージに不具合修正版があるので、これを利用するのがおすすめです。また、im-setup-helperに含まれるfcitx-setup-helperを使用すると、簡単にFcitxの設定ができます。
辛抱強く不具合修正を行なって下さった、開発者のWeng Xuetianさんにはこの場を借りて御礼申し上げます。

im-setup-helper

IBus・Fcitxに関わる機能として、Japanese Teamのリポジトリに、im-setup-helperというパッケージがあります。日本語Remixでは初期状態でインストールされています。これにはふたつの設定ツールが含まれています。

ひとつめの設定ツールがmozc-setup-helperです。これは13.04の日本語Remixの「デフォルトでMozcが利用できる」という設定を13.10環境で実現するための簡単な設定ツールです。インストール後、初回ログイン時に自動起動するので、指示に従って設定してください。テキスト入力/入力ソースをCtrl+spaceに変更する機能や、Mozcツールをメニューに登録する機能もあります。Mozcを使用しない場合は、[自動起動するアプリケーション]など、自動起動を設定するツールで起動しないようにしてください。
すべての環境でうまく動作するとは限らないため、不具合を見つけた場合はubuntu-jpメーリングリストに報告してください。

もうひとつの設定ツールがfcitx-setup-helperです。IBusの代わりに利用できるFcitxを簡単に利用するためのツールです。Fcitxの動作に必要なパッケージを表示する機能と、必要なパッケージが全てインストールされた状態で、IBusからFcitxに切り替える設定を行うことができます。Fcitxに切り替えるだけでなく、逆にIBusに戻すこともできます。Fcitxと設定ツールはKubuntuにも対応しており、IBusよりもオススメです。IBusに戻してもFcitxが起動してしまう場合、[自動起動するアプリケーション]などでFcitxを起動しないようにしてください。

Ubuntuに参加するには

Ubuntuを支援したいなら、以下の支援できる方法の一覧に目を通してみてください。

より詳しい情報

Ubuntuに関するより詳しい情報は、UbuntuのWebサイトUbuntu wikiを確認してください。

Ubuntuの開発に関するアナウンスを受け取るには、Ubuntu-devel-announceメーリングリストを購読してください。

SaucySalamander/ReleaseNotes/Ja (last edited 2013-11-21 02:01:14 by hito)